Effects of ovarian reserve on primordial follicle activation and early follicular growth in cattle
Project/Area Number |
20K15672
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Gifu University (2023) Hokkaido University (2020) |
Principal Investigator |
坂口 謙一郎 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (40867545)
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Project Period (FY) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 卵巣予備能 / 原始卵胞活性化 / 二次卵胞 / 体外発育培養 / 牛 / In vitro growth (IVG) / 卵胞 |
Outline of Research at the Start |
卵巣内に存在する原始卵胞数は、卵子の受精能や性ステロイドホルモン分泌に関わる卵巣の潜在的能力 (卵巣予備能) と相関し、ヒトや牛の繁殖能力の指標となることが知られている。しかし、卵巣予備能が原始卵胞の卵胞発育への動員 (原始卵胞活性化) や、卵胞腔形成前の初期卵胞の発育にどのような影響を及ぼすかは不明である。本研究は、牛卵胞の体外発育培養 (IVG) 技術を用いて、卵巣予備能が原始卵胞活性化と初期卵胞の発育や、ホルモンおよび成長因子の分泌、卵胞の分化に重要な転写因子の発現に及ぼす影響を明らかにすると共に、得られた結果を元に、発生能の高い卵子を生産可能なIVG系を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
卵巣内の原始卵胞数は、卵子の受精能や性ステロイドホルモン分泌に関わる卵巣の潜在的能力 (卵巣予備能) と相関し、ヒトや牛の繁殖能力の指標となる。しかし、卵巣予備能が原始卵胞の卵胞発育への動員 (原始卵胞活性化) や、卵胞腔形成前の初期卵胞の発育に及ぼす影響は不明である。本研究は、牛卵胞の体外発育培養 (IVG) 技術を用いて、卵巣予備能が原始卵胞活性化と初期卵胞の発育に及ぼす影響を明らかにし、得られた結果を元に、発生能の高い卵子を生産可能なIVG系を開発することを目的として以下の検討を行った。 1)卵巣組織中の原始卵胞数を卵巣予備能の指標として群分けを行い、体外発育培養および組織学的な評価により原始卵胞の活性化を比較したところ、卵巣予備能が低い場合の方が、体外での原始卵胞活性化が高率に起こることが明らかとなった。このことは、原始卵胞自身に由来する因子が原始卵胞の活性化を抑制しており、卵巣予備能が低い場合、原始卵胞の枯渇が早まることを示唆している。その機構の詳細を明らかにするため、使用済み培養液を用いて、卵胞発育に関連する各種内分泌因子の酵素免疫学的測定の条件検討を実施した。 2)安定して実験を遂行するための課題であった二次卵胞の回収個数について、機械的単離法を改善することで、一回の採材で40個程度をコンスタントに回収できるようになった。一方、既報に基づく培養法では、原始卵胞数の活性化および二次卵胞の発育のベースが低かったため、基礎培地および添加剤についての詳細な検討による培養系の見直しを行った。その結果、双方の培養系に最適な基礎培地を見出すと共に、3種の添加剤により、二次卵胞の発育能を促進できることが明らかになった。改善した培養系により体外で発育させた二次卵胞を体外成熟培養に供し、免疫蛍光染色による評価を行ったところ、減数分裂の再開および第一減数分裂前期への到達を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、実施予定であった卵胞発育に関連する各種内分泌因子の酵素免疫法による濃度測定および卵巣組織の免疫染色はまだ完了していない。一方、卵巣予備能の異なる卵巣に由来する卵巣組織の固定包埋済みのサンプルおよび免疫染色に必要な抗体類の準備は終了しており、酵素免疫測定法に用いる使用済み培地の回収および条件検討も終了している。今後、これらを用いた組織学的解析を最優先で実施する。一方、初年度の課題であった二次卵胞の回収個数については、基礎的な検討を行うことで改善がみられた。さらに、原始卵胞の活性化能および二次卵胞の発育能のベースを高めるために計画年度3年目に実施予定であった培養系の改善を前倒しで実施したことにより、原始卵胞・二次卵胞双方の培養系の最適化に近づく条件を見出すと共に、牛の体外発育二次卵胞由来卵子の体外成熟培養による第一減数分裂前期への到達という一定の成果を得られた。加えて、体外発育後の二次卵胞から採取した卵子を供する計画にある初期胞状卵胞由来卵子の体外発育培養系において、培養系の温度に着目した検討を進め、これまで (4-39%) で最も高い胚盤胞率 (60%) を達成した。これらの研究を多角的に進めることで、体外で発育した二次卵胞期以前の卵胞由来の子牛生産という目的の達成に向けた進展がみられることから、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた卵巣予備能が異なる卵巣に由来するサンプルを用いた免疫染色による卵胞発育関連因子の発現および局在を評価すると共に、各種内分泌因子の酵素免疫法による評価による濃度測定を行い、卵巣予備能が高い場合および低い場合の原始卵胞活性化の特徴づけを行う。さらに、これまでに最適化を実施してきた体外発育培養系を用いて、卵巣予備能は二次卵胞の発育にも影響を与えるかを評価する。これらの検討を経て得られた情報をもとに、高い原始卵胞活性化能および二次卵胞発育能が期待できる体外発育培養系を考案し、体外発育由来卵子の体外での成熟・受精・発生能を評価する。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)