Project/Area Number |
20K15726
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 僚 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00783870)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 小分子RNA / 生殖細胞 / RNAヘリカーゼ / トランスポゾン / piRNA / Argonaute |
Outline of Research at the Start |
piRNAは生殖細胞特異的な小分子RNAであり、PIWIタンパク質と複合体を形成することでゲノムの不安定化の原因となるトランスポゾンRNAの発現を抑制し、生殖細胞のゲノムを保護している。生殖細胞ではPIWIタンパク質が多様なRNAヘリカーゼと共役し、サイレンシング複合体の形成やトランスポゾンRNAの発現抑制を効率的に行っている。この多様なRNAヘリカーゼはpiRNA経路の各反応段階特異的に機能していることから、これらのRNAヘリカーゼはPIWIタンパク質を識別する能力を有すると考えられる。本研究ではこの識別機構を明らかにし、RNAヘリカーゼによるpiRNA経路の制御メカニズムの一端を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生殖組織特異的にトランスポゾンの発現を抑制するpiRNA経路に注目し、中核因子であるPIWIタンパク質と制御因子として機能するRNAヘリカーゼの分子複合体を単離・構造解析することで詳細な分子機構を解明することを目的とした。piRNA経路のモデル生物として用いられるカイコ生殖細胞では、Siwiと呼ばれるPIWIタンパク質がpiRNA前駆体と結合した後、段階的な成熟過程を経て30塩基程度のpiRNAと複合体を形成し、ホロ型となりトランスポゾンを認識することでその発現を抑制する。この過程において、アポ型のSiwiにはSpn-E、ホロ型のSiwiにはVasaと呼ばれるRNAヘリカーゼが結合する。Spn-E、Vasaは異なる状態のSiwiを認識し、前者は成熟化過程、後者は効率的なトランスポゾンの抑制に寄与している。しかしながらこれらのRNAヘリカーゼによるPIWIタンパク質の認識機構は不明であった。 本研究では、これらの複合体の立体構造解析を行うため、高純度の各タンパク質を調製した。 Spn-E, Vasaに関してはカイコ生殖細胞BmN4へ遺伝子導入を行い、より本来の立体構造に近い状態で精製を行った。また、ホロ型Siwiに関しては、BmN4細胞内で発現しているSiwiを抗体カラムを用いて特異的に抽出した。Vasaは細胞内でNuageと呼ばれる細胞内顆粒を形成することが知られており、精製したホロ型Siwi、VasaをRNA存在下で混合したところ、試験管内で顆粒を形成することが明らかになった。このことから、本研究で調製したホロ型Siwi, Vasaは生体内と同様に機能し、基礎的な顆粒形成に他の因子を必要としないことが示唆された。
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