色素体核様体の膜アンカーポイントが司る核様体構造と色素体分化の制御
Project/Area Number |
20K15819
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
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Research Institution | Hirosaki University (2021-2023) Kyoto University (2020) |
Principal Investigator |
藤井 祥 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (20867717)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 色素体分化 / 核様体 / 膜アンカータンパク質 / 転写制御 / クロマチン免疫沈降シーケンス / 膜脂質 / 葉緑体 / 次世代シーケンシング / 超高解像顕微鏡 |
Outline of Research at the Start |
植物の色素体は器官や環境に応じてダイナミックに分化する。特に色素体が葉緑体へと分化する過程では,内膜構造の発達とともに,色素体DNA-タンパク質複合体「核様体」の構造が大きく変動し,色素体遺伝子の発現変動を引き起こすと提唱されてきた。しかし,色素体分化に伴う核様体の構造変化の分子機構や遺伝子発現との関係性の実態は謎に包まれたままである。本研究では,色素体核様体の膜アンカーポイントが色素体分化において果たす役割の解明を目指し,超高解像顕微鏡や次世代シーケンシング技術を駆使した解析を行う。本研究の成果は,植物の効率的な成長や環境適応に必要な色素体分化のしくみを解き明かすうえで重要な手がかりとなる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,葉緑体核様体の膜アンカーポイントの機能ならびに構成因子の探索と,葉緑体チラコイド膜の形成が膜アンカーポイントの形成や核様体の機能に与える影響について研究を行った。膜アンカーポイントの機能と構成因子に関しては,膜局在性のDNA結合タンパク質であるMFP1に着目して研究を進めた。MFP1を標的とする共免疫沈降解析から,転写・翻訳に関わるタンパク質が複数MFP1と結合する可能性を見出した。MFP1が遺伝子発現に関わるタンパク質を膜上に集約して核様体の膜アンカーポイントを形成し,遺伝子発現制御に関わっているのではないかと考えられる。チラコイド膜と核様体の機能の関係に関しては,チラコイド膜を構成するガラクト脂質およびリン脂質PGの合成が,葉緑体遺伝子発現に及ぼす影響を解析し,膜脂質の合成が,葉緑体分化時の転写と翻訳の活性化に必要であることを見出した。さらに,PG合成が膜アンカー因子MFP1の発現にも関与していることを突き止めた。以上の成果は,複数の学会で報告しており,膜脂質と色素体遺伝子発現の関係については2024年4月に論文として公表した。MFP1の機能に関しても,2024年度中の論文化を目指している。 研究期間全体では,葉緑体分化時に,MFP1が核様体の分散と表面積の拡大に必要であることを見出した。また,MFP1が強光ストレス条件下における葉緑体の転写活性化に寄与することを解明した。MFP1は,チラコイド上に膜上にDNAを繋留するとともに,遺伝子発現に関わるタンパク質を集積し,ストレス環境下での効率的な遺伝子発現を可能にするのではないかと考えられる。さらに,色素体膜脂質の合成と,それに伴うチラコイド膜の形成が,葉緑体分化時の遺伝子発現に必要であることを見出した。核様体の膜アンカーポイントを介した膜形成と遺伝子発現の協調的な制御機構が存在する可能性が示唆される。
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Report
(4 results)
Research Products
(33 results)