Project/Area Number |
20K15864
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45030:Biodiversity and systematics-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 友里 九州大学, 理学研究院, 助教 (10734262)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 警告シグナル / 擬態 / 揮発性 / 爬虫両生類 / ツチガエル / アカハライモリ / シマヘビ / 捕食回避 / 化学擬態 / VOC / 両生類 / 爬虫類 / 防御 / ガスクロマトグラフィー / 嗅覚 / 揮発性成分分析 / オオサンショウウオ / GC/MS / ニオイ / 対捕食者 / 化学防御 / カエル / 匂い / GC-MS / 揮発性成分 |
Outline of Research at the Start |
有毒な種などが自らの危険性を示す警告シグナルは、派手な体色などの「警告色」が有名である。だが、夜行性の種や色覚を持たない種に対しては、ニオイによる警告シグナルである「警告臭」が有効であると考えられた。我々はシマヘビからの捕食を回避するツチガエルのニオイと猛毒のTTXを有するアカハライモリのニオイに着目し、毒を持つ生物が似た体色をもつミュラー擬態がニオイにおいても存在する可能性を見出した。本研究では、ニオイを有する種の分泌物のGC/MS分析等による成分同定およびバイオアッセイにより、世界で初めてとなる警告シグナルとして機能するニオイ成分の特定と、ニオイ版ミュラー擬態の解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、両生類皮膚分泌物をはじめとするニオイを有する種の分泌物の成分同定およびバイオアッセイにより、世界で初めて警告シグナルとして機能するニオイ成分の特定と、ニオイ版ミュラー型擬態の解明を行うことである。この目的に対し、1警告臭の成分分析(ツチガエルおよびアカハライモリが出すニオイのGC-MS分析)、2行動実験による警告臭成分の特定(警告臭として働く成分を特定するためにツチガエルとアカハライモリのニオイを捕食者であるシマヘビに与える動物実験)3警告臭におけるミュラー型擬態の解明(両種で共通するニオイ成分の探索と行動実験による検証、および両種と共通の捕食者持つ種のニオイの網羅的分析)を実施計画としている。 2023年度は、3警告臭におけるミュラー型擬態の解明の一環として、捕食者であるシマヘビを用いた動物実験を実施した。ツチガエルとアカハライモリのニオイについては、2022年度にSPME-GC/MS法にて共通成分を確認しており、実際の捕食者が両種のニオイを類似したニオイとして認識できるかを確かめる目的で行った。実験には捕食経験の無いナイーブな個体を使用するため、野外で妊娠したメスのシマヘビを捕獲し、実験室で産卵・孵化させて幼蛇を用意した。幼蛇にアカハライモリのニオイをまずい餌のシグナルとして学習させ、その幼蛇が学習したアカハライモリのニオイだけでなく、学習していないツチガエルのニオイも忌避するようになるかを検証した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者が2021度産休・育休による休業期間を取得したことで、全体の計画が申請時から後ろ倒しになっている。2023年度は、2022年度に代表者の異動等で許可取得が遅れて延期していた動物実験を実施することができ、この点では予定通り研究を進めることができた。ただし、野外におけるシマヘビの妊娠メスの捕獲が難航し、当初計画していた個体数を得ることができなかったため、次年度に追加捕獲して実験する必要が生じている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度に妊娠メスの捕獲数が少なく実験個体数が足りなかったシマヘビ幼蛇を用いた行動実験を延長して行う。また、これまで実施してきたツチガエル属およびアカハライモリのニオイ成分分析については、解析結果を論文にまとめ投稿する。
|