Project/Area Number |
20K15889
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 45060:Applied anthropology-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石井 名実子 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (10782386)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 法医学 / 年齢推定 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、年齢・性別既知の法医解剖遺体に対し、死後CT画像を用いて上腕骨頭の骨端線及び骨髄腔が明瞭に観察できる断面像を作成するための基準を検討する。さらに上腕骨頭のCT断面像における骨端線及び骨髄腔の位置を各年代別に評価し、現代日本人の年齢推定法への応用を検討する。本研究において、死後CT画像を用いることにより、これまで法医実務で実施されてきた解剖中に上腕骨頭を取り出し観察する手法と比較し、より簡便で誤差の少ない、身元不明遺体の身元判明の手がかりの一つとなる年齢推定法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
上腕骨頭部の骨髄腔の位置の観察のためには、CT画像上における上腕骨の垂直据断方法だけでなく、横断面における骨髄腔の観察について検討する必要があると考えた。そこでまずは無作為に選んだ年齢性別既知の法医解剖15事例において解剖前に撮影したCT画像を、ワークステーション (Synapse Vincent)を用いて左右上腕骨それぞれをスライス幅1㎜間隔で再構成した画像を作成した。再構成画像において左右それぞれの上腕骨を長軸方向に対して平行に横断した骨頭部の横断面を末端部から骨頭部にかけて観察し、骨髄腔の最上端を確認(骨髄腔の位置)し、垂直据断方法における骨髄腔の位置の観察結果と比較検討した。この際、検査者内誤差をなくすため同一検査者が最低2週間以上時間を空けて左右上腕骨頭部をそれぞれ2回ずつ観察している。 結果として骨髄腔の位置の確認に関しては垂直据断方法よりも横断方法の方が観察しやすかった。しかし、事例によっては不鮮明な場合もあり、骨髄腔の位置確認は垂直据断方法並びに横断面における確認を併用することが望ましいと判断した。 一方で実際の肉眼所見の観察方法として法医解剖事例3事例において上腕骨頭部を取り出し、それぞれ5㎜~1㎝間隔で長軸に対して平行に据断し横断面を観察したが、据断面が粗造になってしまい観察は困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
業務が年々多忙になり、体調不良が継続している。また、研究における上腕骨の事例として適応可能な若年者層(20歳代)のサンプルが少なく、研究実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上腕骨頭のCT再構成画像にて横断面における骨髄腔の観察は可能であったが、骨髄腔の位置が曖昧な場合もあったため、より事例数を増やし、加齢との関係を検討する必要がある。 さらに、若年層(20代~30代)の事例が少数しかないため、引き続き若年層を中心に上腕骨のCT撮影事例を収集する。さらに横断面における骨髄腔の観察と平行して垂直据断方法による骨髄腔の観察及び骨端線の確認について男女別、年代別で実施し、年齢との相関関係について調査する予定である。また、ワークステーションでは骨髄腔の観察が困難である事例に対しては上腕骨CTのDICOM画像をimage Jなど無料ソフトを使用し横断面における骨髄腔の位置の観察も実施することを検討する。これらをまとめ、学会にて発表、法医学関連雑誌への投稿を目指す。
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