Project/Area Number |
20K15905
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
深谷 亮太 同志社大学, 研究開発推進機構, 特別研究員 (80868951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | シナプス可塑性 / シナプス前終末 / カルシウムチャネル / シナプス伝達 |
Outline of Research at the Start |
神経細胞どうしはシナプスで接続し、神経伝達物質を介して情報を受け渡す。シナプスでの情報伝達は可塑性を持ち、神経活動に応じて伝達効率をダイナミックに変え、多様な脳機能を支える。記憶に関わる海馬のシナプス(顆粒細胞-CA3錐体細胞シナプス)では、高頻度の刺激によって神経伝達物質の放出が促進され、伝達が増強される。これは、Caチャネルを介したCa流入が、その結果起こる小胞からの伝達物質放出とより強くカップリングすることで起こると考えられている。本研究では、このCaチャネル-シナプス小胞カップリングが強くなるしくみを分子・細胞レベルで明らかにし、情報伝達の可塑性を担う神経細胞機能の理解につなげたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞どうしはシナプスにおいて接続し、情報を受け渡す。出力部であるシナプス前終末では、細胞内へのカルシウム流入をきっかけに、神経伝達物質が放出される。神経伝達物質は細胞内の小胞に貯えられ、小胞と細胞膜の融合を経たのち、細胞外へ放出される。このとき、カルシウムが小胞からの放出とどのくらい連関するか(Ca-放出カップリング)は、情報伝達の強さを決める重要な因子となる。海馬苔状線維-CA3錐体細胞シナプスでは、前終末内の環状アデノシン一リン酸(cAMP)の濃度を薬理学的に高めると、Ca-放出カップリングが強くなり、神経伝達物質の放出が促進される。本課題では、このときどのようなメカニズムがはたらいてカップリングを強くするかを、分子・細胞レベルで明らかにすることを試みた。 2020年度までに、カルシウムイメージングと電気生理学的な実験から、薬理学的なcAMPの上昇にともなって、局所的にカルシウム流入が強まるとともに、神経伝達物質の放出が増強されることがわかった。さらに、超解像顕微鏡技術を用いることで、cAMP濃度の上昇により、カルシウム流入を担う分子(カルシウムチャネル)の分布域が放出部位付近で広くなることを明らかにした。以上のことから、cAMPによって、カルシウムチャネルが放出部位の近くへと集まり、神経伝達物質の放出を強める可能性を見出した。このシナプスでは、高頻度の神経活動でcAMP濃度が上がると、長期にわたって神経伝達物質の放出が増強される。これは記憶や学習の素過程と考えられており、本研究で見出したような現象は、記憶や学習の分子レベルでの基盤となる可能性がある。 2021年度は、高頻度神経活動で誘導される放出増強において、同じような増強メカニズムがはたらくのかどうかを検討するため、高頻度刺激を受けたシナプス前終末を同定し、そこから電気記録をとるような実験系の構築に取り組んだ。
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