Project/Area Number |
20K16130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 48030:Pharmacology-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岩崎 広高 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40781589)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 肝細胞 / ナルディライジン / 褐色脂肪組織 / 熱産生 / FGF21 / 脂質ナノ粒子 / ペプチダーゼ |
Outline of Research at the Start |
エネルギー代謝バランスの破綻は肥満などの代謝関連疾患につながるが、臓器連関によるエネルギー代謝調節機構はまだ十分明らかにされていない。 申請者は、肝細胞に発現するナルディライジン(NRDC)が、神経系を介して皮膚血流・熱放散を調節し、二次的に褐色脂肪組織の熱産生を制御するという新規臓器連関を見出した。本申請は、主に肝細胞特異的NRDC欠損マウスの解析により、この臓器連関の生理的意義、エネルギー代謝における肝細胞NRDCの役割について、詳細な分子機構を解明することを目指す。さらに、siRNAを用いた肝細胞NRDCの特異的ノックダウンが、肥満治療に応用できないか検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
NRDC欠損(Nrdc -/-)マウスは、やせ(脂肪組織の減少)、血漿中性脂肪減少、インスリン抵抗性改善、コリン欠乏食による脂肪性肝炎の抑制、体温調節異常などの表現型を示したことから、NRDCがエネルギー代謝制御に多面的に関わることが示唆されている。 申請者は特に、Nrdc -/-マウスにおいて熱放散が亢進していること、それを補うために褐色脂肪組織(BAT)における熱産生が亢進していることに着目し、脂肪組織、交感神経を含む臓器特異的NRDC欠損マウスを作製して検討したところ、NRDCの肝細胞特異的欠損マウス(LiverKO)がNrdc -/-マウスと同じ熱代謝表現型を示すことがわかった。 すなわち、高脂肪食を負荷したLiverKOは、肝細胞のみでノックアウトしたにも関わらず、褐色脂肪組織(BAT)熱産生遺伝子(UCP1、PGC1aなど)の上昇、BAT組織における脂肪蓄積量の減少が認められ、インスリン感受性が上昇していた。これらはBAT適応熱産生の亢進を示唆したが、その予想通り個体レベルの酸素消費量は増加していた。詳細に検討を進めた結果、肝臓NRDC欠損がヘパトカインの1種であるFibroblast Growth Factor 21(FGF21)発現を上昇させて、BATの熱産生を制御するという興味深い結果を得ることに成功した。 さらに、北海道大学原島研究室との共同研究で、NRDCに対するsiRNAを搭載した特殊な脂質ナノパーティクルをマウスに静脈注射することで、ウイルスを使用せずに肝臓特異的にNRDCをノックダウンさせることに成功している。この脂質ナノパーティクルによりC57BL/6Jマウスの肝臓特異的にNRDCをノックダウンすると、高脂肪食による体重増加が抑制され、耐糖能が良化することを見出し、肥満、糖尿病に対する治療薬につながる可能性が示唆された。
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