背景胃粘膜におけるDNA異常メチル化の蓄積と胃癌発症リスク因子の探索
Project/Area Number |
20K16166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
臼井 源紀 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (80866111)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 胃癌 / DNAメチル化 / 発癌リスク / 胃粘膜 / ピロリ菌 / バイオマーカー / 背景胃粘膜 |
Outline of Research at the Start |
網羅的な遺伝子メチル化解析により胃癌発症の予測マーカ遺伝子の同定を行う。その上で、胃生検によって得られた非腫瘍性胃上皮組織における、マーカー遺伝子のDNAメチル化量を定量化する。健診時の臨床情報と胃生検検体のDNAメチル化量の情報を統合して、発癌との関連を検討する。 本研究を通じて、発癌リスクの層別化及び上部内視鏡検査頻度の個別化へと展開するための研究基盤の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、検診受診者4,257人を対象に後ろ向き解析を行った。追跡期間(約4.9年)中に77人が胃癌を発症していた。多変量解析の結果、年齢、喫煙、飲酒、ピロリ菌感染と発癌の間に有意な関連が見られた。続いて、胃癌例の癌組織、癌周辺の非腫瘍性胃粘膜、発癌より数年前の検診時に採取された胃生検材料、検診後少なくとも5年間、胃がんを発症しなかったピロリ菌既感染者から検診時に採取された胃生検材料、胃炎およびピロリ菌感染のない非炎症性胃粘膜の生検材料(コントロール)について、Infiniumを用いた網羅的DNAメチル化解析を行った。コントロールで非メチル化状態の遺伝子のうち、(a)胃癌で異常メチル化のない非メチル化マーカー、(b)胃癌で共通して異常メチル化される共通メチル化マーカー、(c)高メチル化胃癌症例でメチル化される高メチル化マーカー、(d)EBV胃癌でのみメチル化されるEBVメチル化マーカーを抽出し、CpGアイランドおよび周囲のメチル化状態を、各検体において測定した。メチル化解析の結果、胃癌は(b), (b)(c), (b)(c)(d)がメチル化される低メチル化胃癌、高メチル化胃癌、EBV胃癌に分類された。胃癌発症前の検診時、(c)(d)の異常メチル化を認めない一方で、粘膜生検検体における(b)の異常メチル化を有意に認めた。非常に興味深いことに、後に胃癌を発症しない患者よりも胃癌を発症した患者の方が、検診時の粘膜生検検体における(b)の異常メチル化は有意に蓄積していた。以上より、胃粘膜生検材料における共通メチル化マーカーの異常メチル化は、癌を発症する数年前の時点で非腫瘍性胃粘膜に蓄積しており、胃癌発症予測マーカーになりうると考えている。今後はサンプル数を増やして網羅的DNAメチル化解析を行い、胃癌予測の総合マーカー候補を同定することを目標としている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)