脈絡叢上皮細胞の輸送体を介した乳酸の脳室内過剰輸送に基づく認知症増悪機序の解明
Project/Area Number |
20K16193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
村上 龍太 香川大学, 医学部, 助教 (40751186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 認知症 / 乳酸 |
Outline of Research at the Start |
糖尿病患者さんなど、高血糖状態の人で認知症が悪化すると考えられていますが、その仕組みは明らかではありません。今回私はブドウ糖の体内での代謝産物である乳酸に着目し、この乳酸が脳へなんらかの悪影響を及ぼすという仮設を立て、この乳酸がどのようにして血管内から脳へと移動するかを研究します。 また糖の過量投与実験により増加する乳酸が、脳の中でどのような障害を引き起こすかを検証します。 この結果として、糖尿病患者さんでの認知症の予防や治療法へ繋がる可能性があります。
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Outline of Annual Research Achievements |
いただいた研究費を用い、ヒト脳内において乳酸の輸送が行われていることを実証し、原著論文にて報告しました。 疫学的な調査では、糖尿病患者さんで認知症が多いことがわかっており、その原因が乳酸にあるという仮説にもとづき糖尿病患者さんの脳組織でさらなる検証を行う予定でした。この脳組織の提供をNCNPブレインバンクに2020年より依頼していましたが、研究期間内には提供されませんでしたので、当初の実験計画は完全に頓挫しました。また実験動物である程度検討しましたが、乳酸を輸送するための構造がヒトとは異なっており、そのため果糖の投与実験など糖尿病を想定した実験は中止しました。 本年度は当初目的であるヒト脳内での乳酸利用について検討すべく、ヒトのその他の組織での乳酸輸送体の分布などと比較することにより、ヒト脳内での乳酸の動きについて考察する計画です。具体的にはヒト胎盤およびヒト腎臓は共に血管内外で水や物質をやり取りしているという意味で、私が研究している脈絡叢と似た組織であると考えています。ヒト胎盤についていただいた研究費で同様に検討し、現在結果をまとめ報告しようとしています。 また2024年度より「AI技術を用いた多臓器解析による、脳内での乳酸動態についての検討」という表題でまた研究費をいただきましたので、引き継続きこのテーマで研究を進めていきます。
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Report
(4 results)
Research Products
(1 results)