膠芽腫の低酸素誘導S100A4/NMII系によるがん幹細胞化と血管新生機構の解明
Project/Area Number |
20K16201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
犬飼 円 北里大学, 医学部, 助教 (10525695)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 膠芽腫 / S100A4 / 新生血管 / 低酸素 / ミオシン / 血管新生 / NMⅡ / VEGF / 血管ニッチ |
Outline of Research at the Start |
膠芽腫において、①S100A4が新規がん幹細胞マーカーであることを証明、②S100A4/NMIIシグナルによる血管ニッチでのがん幹細胞化誘導・維持の分子機構を解明、そして、③毛細血管レベルでのS100A4・alpha-SMA陽性がん幹細胞による血管新生の分子メカニズムを解明する。目標①-③を達成した上で、膠芽腫のS100A4によるS100A4陽性がん幹細胞をターゲットとした膠芽腫の新規治療戦略の基盤構築や新たな予後予測システムを構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在、がん各種において転移・浸潤に関わると言われているS100A4に注目し、膠芽腫の病態解明の一手段として、低酸素誘導されたS100A4に注目し、「膠芽腫の壊死近傍は低酸素・血管微小環境 (ニッチ)で、S100A4/非筋細胞性ミオシン (NMⅡ)経路により誘導・活性化された腫瘍細胞が血管新生ソースとして腫瘍伸展に寄与する」という仮説をたて、S100A4陽性腫瘍細胞による血管新生の分子機構を証明していく。 これまで、手術検体にて膠芽腫の地図状壊死周囲は、HIF-1αといった低酸素マーカーが陽性であり、低酸素状態で、かつ、VEGFの発現が高いことから血管増生も盛んであると考えられた。また、血管壁とその周囲の一部の腫瘍細胞にはS100A4発現がみられた。 培養細胞を用いた検証にて、S100A4はNMⅡと結合しNMⅡの機能を抑制することで、腫瘍が進展していくと考えられた。 よって、地図状壊死周囲ではVEGF存在下で、既存の血管を足場にして、S100A4がNMⅡを抑制することで腫瘍自体が遊走し、さらなる血管を新生していくのではないかと考えた。 免疫染色でのS100A4陽性症例は全生存期間・無増悪期間といった 予後が悪く、S100A4による血管新生・腫瘍伸展が直接的・間接的に腫瘍の悪性度に関わるのではないかと思われる。今後、S100A4やその周辺因子の機能を制御できれば、治療薬開発に繋がると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞を使用しての実験で、細胞の増加や数等の調整がつきづらく、実際の実験までに時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
地図状壊死周囲ではVEGF存在下で、既存の血管を足場にして、S100A4がNMⅡを抑制することで腫瘍自体が遊走し、新たな血管を新生していくのではないかと仮定した。 実際に、今後、S100A4陽性腫瘍細胞が遊走して血管を形成していく様を、蛍光染色や免疫多重染色等で経時的に検証していく必要がある。 免疫染色 S100A4陽性腫瘍症例では、予後不良であることが分かったが、血管新生・腫瘍伸展以外の観点からも検証していく必要がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)