Project/Area Number |
20K16359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
成澤 裕子 (中野) 香川大学, 医学部, 助教 (00790966)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 2光子励起顕微鏡 / 膵癌 / 血行性肝転移 |
Outline of Research at the Start |
日本における膵癌の5年生存率は10%以下であり、他の臓器の悪性腫瘍に比べて格段に低い。この膵癌の予後不良の原因として、肝臓などの他臓器への遠隔転移が高頻度であることと、転移を有する症例に対して有効な治療法がないことが挙げられる。 本研究では、肝臓に血行性転移する膵癌細胞の転移先臓器での血管壁への接着、血管外への侵出機序を明らかにすることを目的とする。マウスの血行性肝転移モデルを用い、肝臓内での膵癌細胞と血管との相互関係や時間経過での変化について、2光子励起顕微鏡によって観察する。膵癌の転移巣の形成機構の解明により、転移を制御する新規治療法の開発に結び付く知見を得ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
マウスの脾臓内へ膵癌細胞を移植する血行性肝転移モデルを用い、肝臓内での膵癌細胞と血管との相互関係や時間経過での変化について、2光子励起顕微鏡によって観察する。 7週齢、108週齢の雄性C57BL/6マウスを用い、イソフルラン吸入麻酔下にて脾臓を体外へ露出し、70kDa Dextranとマウス膵癌細胞株 (GFP発現、Hoechst染色済)の混合液0.1 mLを脾臓内へ注入した。注入後30分以内に体外へ露出した肝臓を吸引型マウス固定装置(吸引圧約30mmHg)にて吸引固定して視野を確保した。2光子励起顕微鏡にて70kDa Dextranで描出された肝臓の血管内にマウス膵癌細胞が観察できた。観察開始から2分ごとのタイムラプス動画を0.5~1時間撮影し、マウス膵癌細胞の動きを観察した。今回の観察では、7週齢、108週齢のマウス共に、脾内移植した癌細胞は、血流にのって肝臓までは流れてきたが、肝内では血管内に留まり、ほとんど動かずに血管壁に留まっている癌細胞が多く観察できた。さらに、肝臓表面から100μmの深さまでの3D画像を取得し、血管分岐と癌細胞がその血管内にどれくらいとどまっているのかを評価した。その結果、7週齢と108週齢のマウスを比較すると、7週齢のマウスのほうが肝臓内に留まっている癌細胞が多かった。肝臓内の血管を週齢にて比較してみると、肝臓全体の血管としては108週齢のマウスの血管のほうが、7週齢のマウスの血管よりも太く、血管の分岐も多く認められた。これらの特徴が膵癌における血行性肝転移の成立のしやすさに関与している可能性がある。
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