Project/Area Number |
20K16399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
木村 美智 兵庫医科大学, 医学部, 博士研究員 (80867804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 悪性中皮腫 / BAP1 / NCOR1 |
Outline of Research at the Start |
悪性中皮腫の原因遺伝子としてはp16, NF2, BAP1で高頻度な変異が知られている。更に、血球細胞ではBAP1の制御を受ける転写調節因子の変異が高頻度で検出され、この変異がBAP1野生型患者でも見られることを予備検討結果として得ている。このことから、本研究課題ではBAP1シグナルパスウェイ上でBAP1以外の分子でも異常が生じている可能性というMM病態機序に関する新たな作業仮説を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
性中皮腫(Malignant Mesothelioma:MM)は化学療法等治療抵抗性で極めて予後不良の腫瘍でBAP1の高頻度変異が生じる。所属研究室では、BAP1野生型患者においてBAP1シグナルパスウェイ上の転写調節因子であるNCOR1のゲノムコピー数変化が高頻度で生じることを見出した。NCOR1は転写制御因子として機能するがん抑制遺伝子であり、乳腺腫瘍、肺腺がん、膀胱がん、結腸直腸がん、前立腺がんなどでNCOR1変異が報告されている。KOマウスを用いた研究からB細胞・T細胞の分化、及び樹状細胞の機能を制御していることが近年報告されている。MMへの関与はこれまでに報告されないことからNCOR1変異がMM発症へ及ぼす影響を検討することにより、MMの早期診断や治療法確立に役立てることを目的とする。 本課題期間中、NCOR1のMM病態への関与を①in vitroレベル(MM細胞株)②in vivoレベル(Ncor1変異導入マウス)③前臨床POC(proof of concept)レベル(患者由来生体試料、薬剤探索)で検証する。 これまでの実績は①Western Blottingにて変異株ではNCOR1タンパクの発現低下や消失していることを確認した。変異導入マウス胸腔から中皮細胞を採取・培養を試みた。②Ncor1コンディショナルノックアウト(cKO)マウスを作製した。すなわち、Ncor1の一部exonをCre/loxPシステムによりKOするため、ゲノム編集により該当exonを挟み込むよう2個のloxP配列を同方向に配置している(flox/floxマウス)。系統樹立・維持として、野生株のC57/BL6との戻し交配後、継代維持を行い、受精卵を凍結保存している。臓器特異的Ncor1 cKOの作製例として、膵臓特異的cKOと胸膜特異的cKOを作製・KO確認をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①中皮細胞を採取しCre発現Adenovirusを感染させたが、発現量解析から感染度が低いことが分かり条件を検討する必要があった。②Ncor1の一部exonを挟むflox/floxマウスの胸腔内にCre発現アデノウイルスを投与し、接種2週後には胸膜特異的にNcor1欠損細胞が生じている事を確認した。MMで高頻度変異が知られるCdkn2aとのdouble KOマウスでは接種後13週以降から衰弱し、1年後の生存個体はなかった。しかし、Ncor1 KOマウスは全個体が1年後も衰弱は見られず観察が長期にわたった。既に全てのマウスから検体を回収し、組織学的な評価、RNA/DNA解析をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物での検討は既に終えている。 今後はin vivo、in vitroで得たサンプルやデータを解析し、必要に応じて追加実験を行うことにより更なるデータの取得を試み、その成果をまとめ論文を作成する予定である。
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