大腸癌における糖鎖を標的としたレクチン新薬の臨床応用を目的とした基礎的研究
Project/Area Number |
20K16404
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大原 佑介 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90757791)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | レクチン / 大腸癌 / 抗がん治療 / 糖鎖 |
Outline of Research at the Start |
所属研究室ではレクチンマイクロアレイ技術、臨床に即した動物モデルを駆使して膵癌特異的糖鎖を同定し(H-Type 1/3/4)、特異的に結合するレクチンrBC2LC-N を発見した。レクチンとエンドトキシンの融合薬を作製し、マウス膵癌モデルにて著しい抗腫瘍効果を認めた。この膵癌に対する成果をもとに、現在レクチン創薬に向けて準備しているが、膵癌よりも罹患率が高い大腸癌への適応を視野に入れている。本研究では大腸癌における糖鎖発現、マウスでの抗腫瘍効果の確認、薬理動態の解明を行い、本研究室が推進する創薬を大腸癌へ応用するための基盤となる実験を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌に対する革新的な治療として、癌細胞表面糖鎖を標的とする新規の治療法の開発を目指すことを目的とした。癌細胞の最外層は無数の糖鎖で覆われているため下層の膜タンパクより標的対象として有効なはずだが、今まで糖鎖解析技術、糖鎖標的キャリアが未熟でその開発は遅れていた。所属研究室ではレクチンマイクロアレイ技術、臨床に即した動物モデルを駆使して膵癌特異的糖鎖を同定し(H-Type 1/3/4)、特異的に結合するレクチンrBC2LC-Nを発見した。ヒト大腸癌細胞株にH-type 1/3/4がどの程度発現しているかをまず明らかにすることを考えた。大腸癌細胞株については大腸癌の組織型、マウスへの移植経験等の観点から論文をサーベイし、HT-29、LoVo、LS174T、DLD-1を選択した。レクチン染色においては細胞株によって染色の偏りがみられた。レクチン染色の結果が単なる非特異的反応ではなく、癌細胞の糖鎖発現に由来している可能性が高くなった。さらにin vitroでのrBC2LCNレクチンの結合パターンをin vivoで確認すべく、大腸癌細胞株を免疫不全マウスに移植し、マウスゼノグラフトモデルを作成して検証した。組織学的にはDLD-1、HT-29、Lovoは低分化の癌細胞であり、LS174Tは高分化-中分化の癌細胞であった。in vitroの研究同様に、LS174T、DLD-1、Lovoはレクチン染色で強陽性であり、HT-29は弱陽性であった。rBC2LC-N-PE38をマウスに投与し、体重減少、各臓器障害の顕微鏡的評価、血液毒性について評価したが、有意な毒性所見はみられなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標であったin vivoの実験系を確立することができ、かつin vitroの成果と一致することが明らかとなった。また毒性試験を追加し、目立った毒性の無いことが示された。
|
Strategy for Future Research Activity |
in vivoにおいて、レクチンを用いた抗がん治療の効果を検証していく。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Lectin drug conjugate therapy for colorectal cancer2020
Author(s)
Kitaguchi Daichi、Oda Tatsuya、Enomoto Tsuyoshi、Ohara Yusuke、Owada Yohei、Akashi Yoshimasa、Furuta Tomoaki、Yu Yang、Kimura Sota、Kuroda Yukihito、Kurimori Ko、Miyazaki Yoshihiro、Furuya Kinji、Shimomura Osamu、Tateno Hiroaki
-
Journal Title
Cancer Science
Volume: 111
Issue: 12
Pages: 4548-4557
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-