認知的負荷の時間割引の行動・神経機構の解明および先延ばし・アパシーの横断的説明
Project/Area Number |
20K16475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51020:Cognitive and brain science-related
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
永瀬 麻子 鳥取大学, 医学部, 特別研究員(PD) (40826658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 認知的負荷 / 努力 / 遅延 / コスト / やる気 / 先延ばし / 意欲障害 / 数理モデル / 意思決定 / 時間割引 / アパシー |
Outline of Research at the Start |
先延ばし行動は健常人にも日常的に良く見られる。一方で、頭を使うことで生じる認知的な負荷に基づく意思決定の機構と遅延の関係はまだ十分には明らかになっておらず、また、この機構の障害がどのような日常の問題行動を引き起こすのかも解明されていない。この研究では、負荷に基づく意思決定のしくみを明らかにし、これらの個人差が、健常人の先延ばし行動・アパシーなどを診断横断的に説明できるかどうかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大変な仕事を今すぐにするか、後でするか。日常的なこの選択は、遅延努力コストに基づく意思決定の問題と捉えることが出来ます。例えば、難しいレポートを書かなければならないのに、先延ばしにしてつまらない仕事を処理し、大変な仕事が溜まってしまう。このような選択の結果、期日に間に合わず、成功を逃してしまうかもしれません。経済学では、報酬や金銭的損失の時間割引はよく知られています[Thaler & Shefrin, 1981; Laibson, 1997; Rangel et al., 2008; Tanaka et al., 2004]。一方で,痛みや報酬情報の価値が時間割増されることが報告されています[Berns et al., 2006; Iigaya et al., 2020]。先行研究では、努力コストの大きさと遅延努力コストの時間割引・割増は考慮されておらず、これらがが先延ばし行動に影響を与えるかどうか検討されてきませんでした。頭を使うことで生じる認知的な努力コストは、時間によって割り引かれるのでしょうか?この問いを検証したところ(n = 21)、ヒトは秒単位の時間の違いに気づかずに、すぐに負荷課題を実行する選択肢(即時コスト)を好むコストの時間割増傾向があることがわかりました(Nagase et al. presented at Society for Neuroeconomics2019)。その後の行動実験(n = 9)の結果でも、上記の傾向が再現されています。 本年度は、認知的な遅延努力コストに基づく意思決定課題を新規に開発し、行動実験と機能的磁気共鳴画像法と質問紙調査を含めた実験計画を倫理委員会に申請し、承認を得ました(認知課題と意思決定 ~個人差の研究~(課題番号:20A107)、認知課題と選択2(課題番号:20A093)、認知課題と選択3(課題番号:20A094))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの感染拡大のため、行動実験の実施を延期したため。
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Strategy for Future Research Activity |
努力コストの時間割引が生じると、経時的に努力コストが割引かれて評価され「面倒なことを先延ばしにする」行動が生じ、努力コストの時間割増が生じると、経時的に努力コストが割増されて評価され「面倒なことを前倒しにする」行動が生じることが考えられます。 認知的な遅延努力コストに基づく意思決定課題の行動実験と質問紙調査を同時に実施し、先延ばし行動と意欲障害を伴う疾患傾向(統合失調症傾向、うつ傾向、アパシー傾向)の質問紙のスコアと遅延努力コスト選択課題の行動データの関係を一般線形モデルで分析予定です。具体的には、遅延努力コスト(今日・明日)と遅延報酬感受性の分散が先延ばしのスコアを説明するかを検証予定です(質問票スコア ~ β0 (定数) + β1* 遅延努力コストの感受性 + β2* 遅延報酬の感受性)。また、遅延努力コスト感受性の分散が、統合失調症傾向、うつ傾向、アパシー傾向の各スコアを説明するかどうかを検証予定です(質問票スコア~β0(定数)+β1*遅延努力コスト感受性)。選択行動データを数理モデル(双曲関数、指数関数、準双曲関数、Loewenstein’sモデル、強化学習など)によるモデルフィッティング解析によって、計算アルゴリズムを検討予定です。また、機能的磁気共鳴画像法実験と質問紙調査によって、先延ばし行動と遅延努力コストに基づく意思決定の神経機構を検討予定です。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)