新規キレート剤の開発による未修飾抗体の汎用的な放射性標識法の確立
Project/Area Number |
20K16784
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
金井 彩香 群馬大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座等教員 (10847495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | RI標識抗体 / キレート試薬 / 放射性医薬品 |
Outline of Research at the Start |
種々の抗体と混ぜるだけで目的の標識体を得ることができるpre-labeling法に着目し、未修飾抗体を簡便に放射標識するための新規キレート試薬の開発を目的とする。新規キレート剤の設計・合成を行い、併せて本薬剤の実用性、及び汎用性について、従来法との比較検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では未修飾の抗体を金属核種を用いて簡便に放射性標識できる薬剤の開発を目的とし、これまでにpre-labeling法に応用可能な新規キレート薬剤の設計、合成、標識の検討、およびin vitro分析による薬剤の評価を行ってきた。 当該年度においては前年度までに得られた結果に加えて、in vivo実験手法による薬剤の生体内での性質についての評価を主として行った。 これまでに本新規薬剤はIndium-111やCopper-64といった臨床的に重要な放射性金属イオンに対する高い標識率や、複数種の抗体に対する結合性を示している。さらに本試薬によって標識された抗体の安定性や細胞結合能が従来法であるpost-labeling法によって標識された抗体と比較して同等であることが確認されている。そこでさらなる評価として、新規薬剤によって標識された抗体のマウス体内動態を検討した。本実験では担癌モデル作成にも用いられるBalb/cヌードマウスをモデル動物とし、放射標識には標識や安定性について検討済みのIndium-111を選択した。 標識抗体0.2uCiを尾静脈投与した後、1時間、24時間、48時間後の関心臓器を採取し、それぞれにおける放射活性を測定した。従来法によって標識された抗体も同様の動態試験を行い、それぞれの生体内での挙動について比較したところ、血液・肝臓・脾臓・腎臓・筋肉・骨などにおいて差は見られず、同等の体内挙動を示すことが明らかとなった。 以上の検討結果から、本新規薬剤は従来法によって標識された抗体の性質を損なうことなく、より簡便な放射性標識を可能にすることが示唆された。 今後は、Indium-111やCopper-64以外の金属核種や他の未修飾抗体への応用性の確認や、本新規薬剤を用いた標識抗体によるPET撮像などを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
建屋の耐震工事の開始とその工期延長により2022年7月より2023年6月(予定)まで実験室や機器の使用が制限され、一部の重要な装置が十分に使用できない期間があった。特に本研究における新規薬剤は高い反応性を有するため、Kit化には凍結乾燥機が必須であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではこれまでに新規薬剤が複数の放射性金属イオンや抗体に対して標識を可能とすることを示している。一方で実際のin vivo、in vitroの評価検討は限定的な抗体のみで行われており、種々の抗体でも同様に性質を損なうことなく標識が可能であるかは不明である。 そこで、今後は種々の抗体を用いた体内動態試験や細胞結合実験を行い、これを従来法による標識抗体と比較することが求められている。 また、精製法に関しても現在はカートリッジを用いた手法を利用しているが、本試薬はその性質上、他の精製法を用いることも可能である。より簡便な方法を選択することは、試薬の汎用性を増すことに繋がると考えられるため、これについても検討を行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)