小児の好酸球性消化管疾患におけるTGF-βシグナル伝達系の機能解析
Project/Area Number |
20K16867
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
稲毛 英介 順天堂大学, 医学部, 助教 (60749951)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | 好酸球性消化管疾患 / 寄生虫感染症 / TGF-β1 / シグナル伝達系 / SNAI1 / 好酸球性食道炎 / 転写調節 / 粘膜免疫 / 消化管バリア機能不全 / 寄生虫免疫 |
Outline of Research at the Start |
好酸球性消化管疾患は小児や若年成人に多い慢性で難治性の疾患で、一部にアレルギーと、消化管のバリア機能不全が関わっている。その病態には不明の点が多い。筆者らは好酸球性食道炎で、TGF-β分子の存在下で消化管バリア機能が低下(バリアがゆるむ)現象を見出しており、我々は、こうした現象が生理的には、寄生虫に対する免疫現象として生体に有益な面があるのかもしれない、という仮説を検証している。
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに報告した通り、TGF-βシグナル伝達系による食道上皮バリヤー機能の制御について、培養上皮レイヤー(3D-ALI系)を用いた検討を行っている。昨年度は形態株を用いた検討結果をより生理的条件に近い形で検証するため、一時培養細胞を用いた同様の培養実験系を構築しているが、不死化細胞株と異なり培養条件がややデリケートで、なお再現性ある実験系の構築に難渋している状況である。 一方で、厚労科研の好酸球性消化管疾患研究班を通して国内ガイドラインアップデート計画に参加し、大幅に変化しつつある疾病のターミノロジーについて、国内の用語標準化を計画している。正規認可薬が国際標準に比して極めて少ない点について、小児科学会社会保険委員としての知見を活かして支払基金経由での審査情報提供を実現できないか、班会議内での依頼を受け課題研究を行っている。基礎研究で得られたこれまでの知見を、Minds準拠の国内ガイドラインへの記載として還元し、国内全体の実地臨床水準の向上に努めている。 研究副産物として、診療ガイドラインのジェンダー均衡の基礎分析を行い欧文論文を公表した。結果の内容により、日本アレルギー学会の働き方改革推進奨励賞を受賞し昨年受賞講演を行った。 同様に、診療情報データを用いたリアルワールドデータを用いて課題を多様な側面で検討することを試みている。最初の成果産物を今年、欧文文献として公表した。この成果などから、今年度より日本小児科学会社会保険委員長に就任し小児診療の診療報酬交渉の実務責任者となっている。上記のような多様な側面から好酸球性消化管疾患の本態に迫ろうと試みているが、研究テーマ本体の検討も並行して行っていく予定である。なお、本研究で得られた知見の一部は今年6月の国立成育医療センター講演会(招待講演)で公表予定となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
都心部における新型コロナウイルス感染症の緊急対応に直接動員され、完全に研究の時間を失った。現在も所属病院において、PCR検査などのCOVID関連業務に関与しているが、コロナウイルス対応の正常化によりより高いエフォートが動員可能になると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
医局の所属研究グループの複数の若手医師に、研究協力者として基礎的な予備実験にコミットしてもらう計画を立てている。ただし、COVID-19パンデミックの収束が得られるまでは学内への院外研究員の立ち入りが制限されており、流行がある程度収束してくるまでは実験系の確立になお困難を強いられる可能性がある。 米国コロラド小児病院の好酸球性消化管疾患研究プログラムと、技術的なコラボレーションを進めている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] TGF-β1介在性食道バリア機能障害に対する 転写因子SNAI1の関与2020
Author(s)
稲毛英介,加藤芽美,小嶋まゆき,山田啓迪,米山俊之,横倉友諒,山崎晋,本庄明日香,馬場洋介,森真理,工藤孝広,大塚宜一,清水俊明
Organizer
JSA/WAO Joint Congress 2020
Related Report
Int'l Joint Research
-
[Presentation] 小児好酸球性食道炎のTGF-β1介在性食道バリア機能障害には、転写因子SNAI1が関与している2020
Author(s)
稲毛英介, 加藤芽美, 小嶋まゆき, 山田啓迪, 米山俊之, 横倉友諒, 山崎晋, 本庄明日香, 馬場洋介, 森真理, 工藤孝広, 大塚宜一, 清水俊明
Organizer
第57回日本小児アレルギー学会学術集会
Related Report