Project/Area Number |
20K16926
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長野 智那 神戸大学, 医学研究科, 助教 (60814316)
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Project Period (FY) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | WT1 / WT1遺伝子 / 転写因子 / Denys-Drash症候群 / Frasier症候群 |
Outline of Research at the Start |
WT1遺伝子は転写因子であり、WT1遺伝子異常症は常染色体優性遺伝形式を呈し、変異の部位により多彩な症状を来す。WT1遺伝子異常症の日本人における正確な発症頻度は知られておらず、遺伝子診断体制の確立や有効な治療法は存在しない。本研究は日本人における両疾患の発症頻度を明らかにすると共に、Denys-Drash症候群については転写活性を測定する系を確立し、転写活性と重症度との相関関係の解明を行う。またFrasier症候群においては、核酸医薬を用いたスプライシング制御による治療薬の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
WT1病的バリアントの中で一番頻度の高いのはExon9のDNA結合サイトの1つであるAA467にあるアルギニンがトリプトファンに置換されるバリアントである。最近、我々は同じ位置のアミノ酸がグルタミンに置換された症例を経験した。この症例は乳児期早期に腎症を発症し急激に末期腎不全に至る症例であったため、同じ位置のアミノ酸変化でも重症度に差があるのではないかと考え過去の報告から検討を行った。過去の報告は54例あり、43例がトリプトファンへの置換、6例がグルタミンへの置換、その他はロイシン、プロリへの置換が2例ずつ、グリシンへの置換が1例であった。グルタミンに置換された症例(n=6)はその他のアミノ酸に置換された症例(n=48)と比較すると、腎症発症時年齢が有意に低く、また末期腎不全への到達年齢も早い事を発見した。同じアミノ酸の変化でも転写活性の変化が症状の違いをもたらす可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年々、WT1病的バリアントの同定が進んでいるため、より詳細に臨床症状とバリアントの関係を検討することにより同疾患の病態解明につながる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回発見した乳児期早期に発症し重症な臨床症状を呈するバリアント(グルタミンへの置換)に対し、ルシフェラーゼアッセイを用いて転写因子活性の測定を行う。頻度の高いアルギニンへの置換と比較し、転写因子活性の比較を行い臨床症状との合致を証明する予定である。
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