母体感染による神経発達障害の脳形成異常のメカニズムの解明と新規治療戦略の提案
Project/Area Number |
20K16938
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
塚田 剛史 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90647108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 母体ウイルス感染 / 神経発達障害 / 脳形成異常 / 統合的ストレス応答 / 合成二重鎖RNA / 組織透明化技術 |
Outline of Research at the Start |
母体ウイルス感染は、児が神経発達障害に罹患する危険因子の1つである。母体ウイルス感染が引き起こす神経発達障害の脳形成異常のメカニズムは明らかになっていない。申請者らは、母体感染によって、妊娠後期の胎児大脳における神経前駆細胞が過剰に増殖していることを見出した。本研究では、母体ウイルス感染が引き起こす脳形成異常を神経前駆細胞の過剰な増殖における分子メカニズムから明らかにする。さらに、組織透明化技術を用いて、母体感染に起因する神経発達障害の脳病理を網羅的に解析し、微小な脳形成不全および異常な神経ネットワークの組織構造を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中期の母体免疫活性化は、神経発達障害の危険因子の1つである。脳形成過程の異常は、脳の奇形を引き起こし、母体免疫活性化によって誘発される発達障害の表現型につながる可能性がある。本研究では、母体のウイルス感染を模倣するために、合成二重鎖RNA [Poly(I:C)]を胎齢12.5日のC57BL/6J マウスに腹腔内投与した。神経新生の病理組織学的解析は、Pax6、Tbr2、および Tbr1 のマーカーを使用して行った。これらの胎児では、 poly(I:C)投与後 24 時間で、Pax6 陽性神経前駆細胞と Pax6とTbr2 にdouble positiveを示す細胞の割合に有意な増加が観察された。Poly(I:C)投与後 48 時間の Tbr1 陽性ニューロンの割合に違いはみられなかった。胎齢18.5 日では、生理食塩水を投与した対照群よりも、poly(I:C)投与した群の方が、Pax6 陽性および Tbr2 陽性の神経前駆細胞が多かった。 胎齢12.5日での胎児脳における poly(I:C) 誘発による発現変動遺伝子のGene ontology解析では、発現変動遺伝子は、生物学的プロセスのカテゴリーにおいてサイトカインへの応答、酸素レベルの低下への応答などにエンリッチされていた。胎齢13.5日では、統合ストレス応答のエフェクターであるAtf4の発現が有意に上昇していた。本研究結果は、胎齢12.5日 でのPoly(I:C) 誘発母体免疫活性化が神経新生過程の異常を引き起こすこと、胎児脳でAtf4の発現が上昇することを示した。これらの知見は、母体免疫活性化が引き起こす神経新生異常とそれに基づく神経発達障害発症のメカニズムに新たな視点を提供するものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)