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膵臓正常組織に蓄積した遺伝子変異解析による膵癌発症のメカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 20K17021
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 53010:Gastroenterology-related
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

池川 卓哉  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10843849)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2022)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Keywords膵癌 / 遺伝子変異 / マイクロRNA
Outline of Research at the Start

膵癌は早期発見が困難で非常に予後が悪く、その発生メカニズムは不明な部分が多い。
≪膵癌の高リスク患者では、病理学的に正常な膵組織にすでに遺伝子変異が広範囲に蓄積し、癌化につながっているのではないか?≫という仮説を立案し以下の研究を行う。
1. 膵癌手術検体の癌部・非癌部の遺伝子解析を行い、病理学的に正常な膵組織で膵癌発
症に関わる遺伝子変異の蓄積の有無を検証し、膵癌発生のメカニズム解明を行う。
2. 組織中の癌部・非癌部のマイクロRNAを解析し、病理学的に正常部のマイクロRNAの発
現を解析する。さらに血中でそのマイクロRNAが検出可能かを検証する。

Outline of Annual Research Achievements

≪膵癌の高リスク患者では、病理学的に正常な膵組織にすでに遺伝子変異が広範囲に蓄積し、癌化につながっているのではないか?≫という仮説に基づき、本研究では膵癌手術検体の癌部・非癌部の遺伝子解析を行った。過去10年の膵癌切除例254例中、遺伝子解析の不適症例を除外した158例の手術検体からDNA抽出および遺伝子(KRAS、TP53、CDKN2A、SMAD4)の変異を解析した。前年度までは、膵嚢胞性腫瘍の一つである膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を併存することが、膵癌の高リスクの要因の一つとして知られており、膵癌発生メカニズムを知る上でIPMN併存膵癌の生物学的特徴の解析は重要と考えられ、IPMNの併存の有無(IPMN併存膵癌21例、非併存膵癌137例)で解析し、プロペンシティスコアマッチングで年齢やステージを一致させたコホートにおいてはIPMN併存膵癌と非併存膵癌の遺伝子変異や癌周囲微小環境に差は認めない結果であり、これを論文報告した。今年度は、さらに、正常膵管、前癌病変、上皮内癌、微小浸潤癌の癌周囲微小環境の構成因子である免疫担当細胞や間質の膠原線維などの癌微小環境の評価を行った。早期膵癌症例では、膵管狭窄部および微小浸潤部に一致してTP53の変異を認めたが、CDKN2A、SMAD4の変異は認めなかった。また、正常膵管、前癌病変、上皮内癌、微小浸潤癌と進行するに従って、炎症細胞浸潤、線維化の程度は強くなっていることが判明した。さらに癌部と非癌部の遺伝子変異、遺伝子発現を網羅的に解析することにより、膵癌に至る前の、どの段階で、どこに、どのような、遺伝子変異が起こり膵癌発生につながっているのかの解明を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度まで:IPMN併存膵癌21例、通常型膵癌137例の手術検体からDNA抽出を行い、KRAS、TP53、CDKN2A、SMAD4に対するターゲットアンプリコンシーケンスを実施した。さらにTP53、CDKN2A、SMAD4については免疫染色とddPCR法によるCNV解析を追加し、シーケンスデータと免疫染色、CNV解析を統合して遺伝子変異の有無をより正確に判定した。また、癌周囲微小環境の構成因子である免疫担当細胞や間質の膠原線維は膵癌の進展や転移に重要な役割を担っており、膵癌の予後との関連が報告されている。腫瘍周囲の免疫担当細胞数(CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞、FOXP3陽性T細胞)と線維化・間質マーカー(αSMA陽性線維芽細胞数とEVG染色の膠原線維量)を免疫染色を用いて評価した。KRAS、TP53、CDKN2A、SMAD4の各遺伝子変異の有無にIPMN併存膵癌、通常型膵癌の両群間で有意差は認めなかった。また、IPMN併存膵癌は CD4陽性T細胞浸潤が多く、間質も豊富であることが示唆された。上記結果をAnnals of surgical oncology誌に投稿した。
今年度:膵癌切除症例のうち、早期膵癌症例12例(上皮内癌8例、微小浸潤癌4例)を対象として、同一患者の正常膵管、前癌病変、上皮内癌、微小浸潤癌の切除検体(各症例につき3-4切片)を用いた検討を行った。TP53、CDKN2A、SMAD4の免疫染色と膵管周囲の免疫細胞浸潤の評価としてCD3染色、線維化の評価としてEVG染色、αSMA染色を行った。結果、早期膵癌症例では、膵管狭窄部および微小浸潤部に一致してTP53の変異を認めた。CDKN2A、SMAD4の変異は認めなかった。また、正常膵管、前癌病変、上皮内癌、微小浸潤癌と進行するに従って、炎症細胞浸潤、線維化の程度は強くなっていることが判明した。

Strategy for Future Research Activity

現在、早期膵癌に対して、正常膵管、前癌病変、上皮内癌のDNA抽出が完了し、変異の解析を行っているところである。同部位に対してLMDで病変部を切り取り、全ゲノムシーケンスを行う。また、網羅的に遺伝子発現を解析するために空間的トランスクリプトーム解析を実施し、結果待ちの状態である。癌部と非癌部の遺伝子変異、遺伝子発現を網羅的に解析することにより、膵癌に至る前の、どの段階で、どこに、どのような、遺伝子変異が起こり膵癌発生につながっているのかの解明を目指す。

Report

(3 results)
  • 2022 Research-status Report
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Comprehensive Analysis of Molecular Biological Characteristics of Pancreatic Ductal Adenocarcinoma Concomitant with Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm2022

    • Author(s)
      Masahiro Tsujimae, Atsuhiro Masuda, et al.
    • Journal Title

      Annals of Surgical Oncology

      Volume: in press Issue: 8 Pages: 4935-4936

    • DOI

      10.1245/s10434-022-11785-w

    • Related Report
      2021 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Presentation] IPMN併存膵癌とIPMN非併存膵癌の分子病理学的特徴と予後の相違2021

    • Author(s)
      池川卓哉
    • Organizer
      日本膵臓学会
    • Related Report
      2020 Research-status Report

URL: 

Published: 2020-04-28   Modified: 2023-12-25  

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