Project/Area Number |
20K17154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
赤澤 祐介 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (10837579)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | CFD解析 / Simlple CoA / 多発肺動脈狭窄 / 肺動脈分岐部狭窄 / SImlple CoA / Simple CoA / 圧較差 / 数値流体力学 / 先天性心疾患 / コンピュータに基づく数値流体シミュレーション / 肺動脈狭窄 / 圧損失 |
Outline of Research at the Start |
肺動脈狭窄(Pulmonary Stenosis、PS)は先天性心疾患(Congenital Heart Disease、CHD)の2-3%にみられ、狭窄病変の形態評価と圧較差より治療適応が決定される。しかし複雑な解剖を有するため治療方針の決定は困難である。本研究課題では解剖学的情報から数値流体解析を行い、真の解剖学的重症度を明らかにし、CHDの病態解明を行うことを目的とする。 PS合併CHD患者のうち心臓CTとカテーテル検査を同時期に施行した症例を対象に、病変解剖情報の3次元構造を構築する。それを元に数値流体解析ソフトウェアによる血流解析を行うことで、圧損失、血管壁面ずり応力を得て検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複雑な解剖を有する先天性心疾患(Congenital Heart Disease、CHD)症例における、肺動脈狭窄(Pulmonary Stenosis、PS)に対する解剖学的情報か ら数値流体シミュレーション(Computational Fluid Dynamics、CFD)解析を行う。PSにおいて、多発狭窄、分岐部末梢性病変などの複雑病変は圧損失(=圧較差)の 過小評価が生じるとされており、治療方針の決定が困難であるが、CFD解析を行うことで真の解剖学的重症度を明らかにし、複雑な解剖学的構造を有するCHDの病 態解明、治療応用を行うことを目的としている。 まず初めに、単独狭窄病変においてCFD解析により得られた圧較差をカテーテル検査にて得られる実測の圧較差と比較し、その精度を検証することとした。血流解析は信頼性の高い商用の流体解析ソフトウェアFluent(ANSYS社)を用いて行った。 実際の血流にあわせた流速などの諸条件を用いて、本申請で購入するコンピューターで血管内の血流の様子を数値シミュレーションする。流速条件は計算が比較的容易な定常流として解析することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まず最初に、単独狭窄病変を有し複雑な心内合併症を伴わない疾患として、単純型大動脈縮窄症(Simple CoA)を対象とし解析を行うこととして計画を進めた。心室中隔欠損症を合併したCoAの修復術後 (心内の血行動態を正常心形態として解析可能)に縮窄部の再狭窄を生じた10代の症例の解析を行い、CFD解析により得られた圧較差はカテーテル検査にて得られる実測の圧較差に非常に非常に近い数値となった。 昨年度はPS症例への解析として肺動脈分岐部狭窄のある症例を選択し解析を進めた。まずは単純な症例として右肺動脈狭窄がある症例をCoAの症例と同様に心臓CTより抽出した肺動脈の3Dデータをもとに解析を行い、こちらもCFD解析により得られた圧較差はカテーテル検査にて得られる実測の圧較差に非常に非常に近い数値となった。同症例は肺動脈血流量の左右差が45:55と大きな差があるわけではなく、本来解析の目的としたい肺動脈血流量の左右差があり、血流量の少ない側の肺動脈の狭窄の真の圧較差を推測するためには適さないため、左右差の大きい症例の解析を予定した。本年度は目的に適した症例を探索したが、小児期に肺動脈狭窄治療を受ける症例が多く、解析に耐えうる画質の心臓CTデータのある症例を抽出することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的に遭遇するのは片側肺動脈狭窄に伴い、狭窄側の肺動脈への血流が低下するため(左右差が生じるため)、狭窄部の血流低下により、圧較差が小さく測定されてしまう状況である。狭窄部の治療適応は圧較差にて決定されるため、時として治療の判断に迷うことがある。先に解析した右肺動脈狭窄症例は片側の肺動脈狭窄があるにも関わらず、肺血流の左右差がほぼ認められなかった。本年度はこれまで当院にて治療を受けた、肺血流の左右差ある片側肺動脈狭窄の症例のうち解析に耐えうる心臓CTを撮像された症例の抽出と解析を予定している。 また、研究計画書に従い、主肺動脈並びに分岐部に狭窄の存在する多発PS症例への解析も並行して行う予定としている。
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