次世代シークエンサーを用いた鼻腔内混合感染の実態調査および重症化リスクの検証
Project/Area Number |
20K17196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Okayama University (2021) Tokai University (2020) |
Principal Investigator |
大野 歩 岡山大学, 医歯薬学域, 特任助教 (30718549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 鼻腔内混合感染 / 次世代シークエンサー / 細菌 / ウイルス / 呼吸器感染症 |
Outline of Research at the Start |
当研究室では2017年に感染症診断用のポータブル型ゲノム解析システムを開発した。本研究ではこのシステムを基盤とし、二本鎖DNA修飾技術を用いた細菌種を迅速に判定する技術およびナノポアDNAシークエンサーによる鼻腔内の呼吸器ウイルスを網羅的に検出可能な技術を開発する。これらの技術は、検体採取から細菌種およびウイルス種の判定までを5-6時間で実施可能にする。また、これらの技術を導入した次世代のゲノム解析システムを東海大学医学部付属病院内で試験運用することにより、呼吸器感染症の早期診断を可能にし、鼻腔内における混合感染の実態を解明することで重症化のリスクを低減する道筋を拓くことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
鼻腔は多くの呼吸器感染症の原因となる各種病原微生物が侵入・定着する場所である。そのことから、呼吸器感染症の予防および治療には鼻腔の細菌叢を効果的に制御することが重要であることがすでに報告されている。本研究では、2017年に開発された感染症診断用のポータブル型ゲノム解析システムを基盤とし、ナノポアDNAシークエンサーによる鼻腔内の細菌叢および呼吸器ウイルスを網羅的に検出可能な技術の開発を目的の一つとして挙げている。2021年度では課題2として設定した「呼吸器ウイルスの検出技術の確立」について、3種のRNAウイルス(RSウイルス、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルス)を購入し、検討した。ゲノム抽出法および次世代シークエンサー解析用のライブラリ調製方法の検討の結果、網羅的に検出可能であることが示唆された。また検出効率の低いウイルスの存在が懸念されるものの、サンプル中のウイルスゲノムが少量であっても、PCR増幅せずに検出可能な方法であることが期待された。このことから、見出した方法を用いて呼吸器感染症患者から採取された鼻腔ぬぐい液18例からの細菌およびウイルスの検出を試みた。その結果、細菌検出では慢性副鼻腔炎との関連が報告されているPeptoniphilus lacydonensisが検出し、本研究の症例との関連性を検討している。また、ウイルス検出では、多数のウイルスが検出されたものの、残念ながら本研究の症例との関連性が疑われるウイルスは検出されなかった。今後は症例数を増やし検討を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)