皮膚自然免疫における間葉系細胞のCCL2-CCR2経路を介した制御機構解析
Project/Area Number |
20K17317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渋谷 倫太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (30823059)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 刺激性皮膚炎 / CCL2 / CCR2 |
Outline of Research at the Start |
手湿疹などの刺激性皮膚炎は、しばしば界面活性剤など回避困難な外的刺激により生じる非常にありふれた皮膚疾患である。刺激性皮膚炎の病態は、刺激により表皮から放出されたIL-1やTNF-αなどの炎症性メディエーターの関与が知られているが、これら表皮由来炎症性メディエーターが真皮内のどのような応答経路を介して、炎症細胞を局所へ誘引するかは不明である。申請者は、間葉系細胞を始めとする放射線耐性細胞のCCL2-CCR2経路が界面活性剤による刺激性皮膚炎に関与することを見出した。本研究では、放射線耐性細胞におけるCCL2-CCR2経路に着目し、外的刺激により誘導される皮膚免疫応答カスケードの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの結果より、SDS皮膚炎において、皮膚における放射線耐性細胞のCCR2がIL-1β産生を介して、皮膚への好中球浸潤を促進していることを明らかにした。次に、どの放射線耐性細胞のCCR2発現が重要なのか、細胞の選別を試みた。WTマウスのSDS塗布皮膚には単球などCCR2を発現する放射線感受性細胞が豊富に蓄積しており、皮膚の放射線耐性細胞におけるCcr2発現を確実に検出することは困難である。そこで、骨髄キメラマウスのSDS塗布皮膚におけるCcr2発現を調べた。 野生型マウスへCCR2欠損マウス骨髄を移植したキメラマウスのCcr2の発現を調べたところ、SDS塗布皮膚Ccr2のRNA scopeによる蛍光シグナルは観察されなかった。一方で、野生型マウスへ野生型マウス骨髄を移植した群や、CCR2欠損マウスへ野生型マウスの骨髄を移植した群のSDS塗布皮膚においてはCcr2の蛍光シグナルが認められたことから、射線耐性細胞におけるCcr2の発現量が非常に少ないため同定に至らなかったと推定される。 次に、SDS皮膚炎病変部皮膚におけるCCL2、IL-1β産生細胞がどのような細胞なのか、RNA scopeによる同定を試みた。まず、発現細胞の候補を大きく骨髄由来細胞のマーカーであるCD45と間葉系細胞のマーカーであるVimentin陽性細胞に大きく分け、いずれの細胞がCCL2あるいはIL-1βを産生しているかを検証した。その結果、CCL2陽性、IL-1β陽性細胞いずれについても、皮膚のCD45陽性細胞よりもむしろ間葉系細胞のマーカーであるVimentin陽性細胞と共陽性を示した。これらの結果は、SDS皮膚炎における病変部皮膚では間葉系細胞がCCL2やIL-1βの産生源として重要であることを示唆している。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)