Bioengineering of functional bladder substitute using tissue decellularization and autologous derived bladder cells
Project/Area Number |
20K17552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
出口 幸一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (00747082)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 膀胱再生 / 組織工学 / 再生医療 / 細胞外マトリックス / 細胞培養 / 脱細胞化 / 組織脱細胞化 / ヒト膀胱上皮細胞培養 / 組織再生 / 再生膀胱組織 |
Outline of Research at the Start |
総排泄腔外反や神経因性膀胱における尿失禁や上部尿路障害をはじめとする膀胱機能障害は、患者の社会生活に著しい障害をきたす。腸管を利用した膀胱拡大術は、コンプライアンスが低下した膀胱機能障害に対する標準治療であるが、消化管粘膜が尿に曝露されることによる合併症はいまだ解決されていない。本研究では、この問題点を克服する新たな外科的治療法として、同所移植が可能な新規再生膀胱の開発を目的としている。これまでの管腔臓器再生研究の成果を発展させ、自己由来の培養細胞と膀胱由来の生体材料を段階的に組みあわせる。それによって、膀胱に特有の組織形態と機能を持った、再生膀胱組織を開発することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、二分脊椎・神経因性膀胱・外傷・腫瘍等が原因で進行した膀胱機能不全に対する再生治療として、異種由来組織と自己由来細胞を組み合わせた生体適合性の高い再生膀胱組織の開発を目指している。具体的には、異種組織由来細胞外マトリックスに自己由来膀胱細胞を播種することで、組織を三次元的に再構築し、人体へ移植可能な人工膀胱組織片を作成することを目標としている。これまで、細胞外マトリックスの作成、ヒト尿路上皮細胞の培養、両者を組み合わせて三次元膀胱組織を作成するプロトコールの確立を行なった。本年度は、機能的な三次元膀胱組織作成のためのプロトコールの最適化、および作成した膀胱組織の生理学的評価を行なった。 1. 細胞外マトリックス上播種培養における細胞培養密度の最適化:ヒト由来尿路上皮細胞を既定培地(Keratinocyte serum free medium)で培養、増殖させた。マトリックス上播種に際して、複数の細胞培養密度を検討した結果、1 x 10^6 cells/cm2を選択した。 2. 細胞外マトリックス上播種培養における細胞分化誘導法の最適化:複数の細胞播種プロトコールを比較した結果、尿路上皮細胞増殖期にてマトリックス上に播種し、接着培養ののち、マトリックス上で分化誘導を行う方法が最も良好な細胞生存を認めることが判明した。分化誘導法としては、前述の培地にウシ血清を加え培養し、さらに培養液中カルシウムイオン濃度を上昇させる方法を選択した。 3. 細胞外マトリックス上播種培養後の細胞成熟の評価:作成した三次元組織の組織成熟度を評価するため、ヘマトキシリンエオジン染色、および免疫染色を行なった。組織内腔には多層から構成される膀胱上皮が再生し、組織成熟が示唆された。また、免疫染色において、三次元組織内の上皮層が、生体の膀胱組織と類似した組織構築を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19流行の影響により、培地試薬や実験物品の納品に時間が要したことがあり、一時的な実験の停滞を認めた。 膀胱組織の三次元的な再生には膀胱平滑筋層の再建が必要となるが、これまで組織工学領域において、膀胱平滑筋層を機能的収集能を有する程度まで再建し、動物モデルに利用可能なscalabilityを確立した報告はなく、膀胱平滑筋層の再建の戦略を検討している。一つの戦略は現行の細胞外マトリックスに平滑筋細胞を播種する方法である。我々の研究チームでは、平滑筋および血管の構成細胞の一つであるmesangioblastを、fibroblastと共培養することで増殖し、注射法によって細胞外マトリックスに注入し、動的培養法で生着させる手法を確立した。この方法を本膀胱組織に使用することを検討する。もう一つの戦略は、臨床的に用いられている消化管を用いた膀胱拡大術を変更・応用する手法である。消化管(主に小腸)の内腔を開き、小腸上皮を剥離後、膀胱上皮を播種した細胞外マトリックスを上皮を剥離した小腸組織(腸管膜が付着した状態)に縫着する方法である。後者は前者より少ない作業工程で膀胱組織を作成できる利点を有する。これらを実際に検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 膀胱平滑筋層の作成:先述の二つの手法、すなわち①細胞を細胞マトリックスに注入し培養する方法、②消化管を用いた膀胱拡大術を変更・応用する方法を比較検討する。 2. 作成した膀胱上皮・細胞外マトリックス複合組織の機能評価:膀胱上皮の成熟度を評価する。膀胱上皮が満たすべき要件として、尿から組織を保護するBlood-urine barrierの形成が挙げられる。膀胱上皮の成熟の指標として、このbarrier機能が形成されていることを評価する。具体的には、電気生理学的手法を用いたbarrier機能の評価と、透過性試験を用いたbarrier機能の評価を行う予定である。 3. 膀胱組織の移植:作成した膀胱組織を、小動物モデル膀胱に移植し、生着しうるか評価する。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)