Project/Area Number |
20K17584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 寛章 徳島大学, 病院, 助教 (20792378)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 乳癌 / 腫瘍免疫応答 / センチネルリンパ節 / マウス乳癌同所移植モデル / 個別化T細胞治療 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、乳癌患者検体を用いて 腫瘍浸潤リンパ球 (TILs)とセンチネルリンパ節(SLN)・non-SLNでの免疫細胞や免疫制御マーカーのプロファイルの違いを解析し、SLNが腫瘍特異的抗原を認識しているかどうかを検証する。将来的な治療を念頭に置き、マウス乳癌同所移植モデルを作成。腫瘍抗原を認識するNKT細胞を作るための前段階として、マウスiPS細胞をNKT細胞へ分化・誘導する。以上より、SLNが腫瘍特異的な情報を獲得している可能性があるという仮説のもと、TILs低値乳癌に対する個別化T細胞治療という新しい治療戦略を確立するための基盤とすることを目的とした研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、乳癌患者検体を用いて腫瘍浸潤リンパ球 (TILs)とセンチネルリンパ節(SLN)・non-SLNでの免疫細胞や免疫制御マーカーのプロファイルの違いを解析し、SLNが腫瘍特異的抗原を認識しているかどうかを検証することを目的としていた。具体的には免疫細胞や免疫制御マーカーの比較:TILs、SLN・non-SLNにおける樹状細胞、B/T細胞、免疫制御マーカーの免疫染色を行い、①SLN転移(+)群 vs. SLN転移(-)群での違い②TILs高値群ではTILs vs. SLN vs. non-SLNでの免疫応答を比較③TILs低値群ではSLNとnon-SLNを比較し免疫応答がSLNで確認できるか検討④サイトカイン・ケモカイン測定を行う予定であった。患者検体、患者情報を集積し、HE染色にてTILsの評価を行った。TILs高値症例が予想していたよりも少ない印象であった。腫瘍とセンチネルリンパ節、nonセンチネルリンパ節それぞれの免疫染色(CD4、CD8、PD1、PD-L1など)を準備していたが、予定していた免疫染色は種類が多く、作業時間がかかったため必要な免疫染色の再度選定を行った。PD-L1、CD73を新たな候補とし現在免疫染色の手技の獲得、評価方法について調整を行っている段階である。免疫染色を用いた今回の評価は本研究において非常に重要な部分となってくるため、その準備を慎重に行っている。免疫染色に加え、TCRレパトア解析まで予定をしていたが、現段階では行えていない。 今後、免疫染色の結果がそろった後に行い、腫瘍特異的なTCRをSLNが認識しているか網羅的に解析したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床業務において患者増加と医療従事者不足による業務の増加が生じている。業務の調整を行いながら、研究をおこなっている。現時点では、症例のリストアップは終了し、必要な抗体の購入を行い、免疫染色を開始している。リンパ節転移陽性で手術先行の症例を抽出しているが、トリプルネガティブ乳癌とHER2陽性乳癌の数が少なく症例の偏りが生じている。当初の研究計画と上記の結果を考慮すると、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では免疫染色の部分がまずは非常に大事なポイントと考えている。手技の獲得と安定した評価が重要であるため、準備ができれば実際の症例での評価を進めていきたい。腫瘍とSLN・non-SLN での免疫担当細胞や免疫制御マーカーのプロファイルを解析。TILs低値の原因を探索するとともに組織検体とSLNをTCRレパトア解析し、腫瘍特異的TCRをSLNが 認識しているか検証する。 1)免疫細胞や免疫制御マーカーの比較:TILs、SLN・non-SLNにおける樹状細胞、B/T細胞、免疫制御マーカーの免疫染色を行い、①SLN転移(+)群 vs. SLN転移(-)群での違い②TILs高値群ではTILs vs. SLN vs. non-SLNでの免疫応答を比較③TILs低値群ではSLNとnon-SLNを比較し免疫応答がSLNで確認できるか検討④サイトカイン・ケモカイン測定。2)TCRレパトア解析:1)において腫瘍とSLNのプロファイルが類似しているTILs低値群の腫瘍とSLN(各n=4、計n=8)のPPFEサンプルを用いる。次世代シークエンスによるTCRレパトア解析を行い、腫瘍特異的なTCRをSLNが認識しているか網羅的に解析する。その後、マウス乳癌同所移植モデルを作成し、SLNを同定。リンパ節転移モデルを作成し、マウスiPS細胞からNKT細胞への分化・誘導を行う。
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