Study on the profiling of immune cells related to the neoadjuvant chemoradiotherapy for the rectal cancer
Project/Area Number |
20K17600
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 雅 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (70772333)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 直腸癌 / 放射線化学療法 / 術前化学放射線療法 / 免疫細胞プロファイリング / メトホルミン |
Outline of Research at the Start |
局所進行直腸癌に対する標準治療は術前化学放射線療法(NACRT)である。NACRTにて病理学的完全奏功(pCR)を達成できた症例は予後が良好なことが報告されている。NACRTの効果を高めるには抗腫瘍免疫応答の活性化が重要である。メトホルミンは、放射線治療の感受性を高め、免疫系にも作用することで抗腫瘍効果を高めることが報告されている。我々は、直腸癌のNACRTにメトホルミンを併用することでpCR割合を向上させる臨床試験を考案した。本研究では、新規治療であるメトホルミン併用NACRTによる免疫状態の変化を解明し、治療効果と関連のあるバイオマーカーの同定を行うことを目的とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
直腸癌の標準治療である術前化学放射線療法(neoadjuvant chemoradiotherapy; 以下、NACRT)の効果を高めるために抗腫瘍免疫応答の活性化が重要である。一方、近年2型糖尿病治療薬であるMetforminの内服歴がある患者は、各種癌の罹患率が低く、予後が良好である。Metforminの抗腫瘍効果の一因として、宿主の抗腫瘍免疫を賦活化し、また、放射線治療においてはその感受性を改善させる効果が報告されている。今回、NACRTにMetforminを併用することで直腸癌病理学的完全奏功割合(pathological complete response; 以下、pCR)を向上させるとの仮説のもと臨床試験を考案した。本研究ではMetforminを併用したNACRT治療前後の病変部直腸腫瘍組織検体および末梢血液検体を採取し、免疫状態のプロファイリングを行い、治療効果との関連性を検討した。本年度は、「非糖尿病患者を対象とした局所進行直腸癌に対するメトホルミン併用術前化学放射線療法の安全性・有効性を検討する多施設共同臨床第I/II相試験(略名: RC-COMET Study)」に参加を承諾した患者の直腸腫瘍組織および末梢血液検体を採取した。ヒト臨床検体の解析に先立って、in vitro細胞培養系、マウス大腸癌モデルにおいてMetforminの抗腫瘍効果、免疫プロファイリングを行った。Metformin併用NACRTによる免疫担当細胞のポピュレーション変化および機能変化などの免疫調節機構を解明することで、治療効果を予測する免疫学的因子を同定し得ると考える。また、臨床試験においてMetformin併用NACRTによるpCR割合の向上および臨床予後の改善が確認されれば、今後術前治療の選択肢の一つとなる可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染症の流行に伴い手術件数が減少していること、また、初期の登録症例では有害事象が生じており、RC-COMET studyのプロトコル改定を行ったことから、プロトコルを完遂した症例の集積に遅延が生じている。現在までに3例の症例が蓄積されており、腫瘍組織および腫瘍辺縁の正常組織について免疫染色を行ったところ、Metormin併用NACRTにより腫瘍組織のCD4陽性細胞、CD8陽性細胞、CD11c陽性樹状細胞の有意に増え、治療終了後もこれらの細胞の増加傾向は残存していた。
|
Strategy for Future Research Activity |
RC-COMET studyの登録症例を蓄積し、得られた腫瘍組織検体を用いて免疫染色を行い免疫担当細胞のポピュレーション変化について検討する。また、同時に採取した末梢血液よりPBMCを単離し、抗CD3抗体および抗CD28抗体によってT細胞を刺激し、各種サイトカイン・ケモカイン産生能についてELISA法で評価を行う。 並行してin vitro細胞培養系および、in vivoマウス大腸がん担がんモデルを用いてCD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞、樹状細胞、マクロファージの浸潤の程度を免疫染色や蛍光多重染色により解析するとともに、抗腫瘍免疫に関連するサイトカイン、免疫賦活・抑制因子やそれらの受容体などの発現レベルをフローサイトメトリーやELISA法を用いて確認する。in vitro培養系およびマウスモデルで同定した制御分子をバイオマーカーとして、腫瘍局所および末梢血液中の免疫担当細胞や免疫担当因子の発現レベルについて解析を行う。得られた結果について、メトホルミン併用NACRTの治療効果および臨床予後との関連性を検討し、新たに見出したバイオマーカーが有用であることを提示する。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)
-
-
[Presentation] 大腸がんの肝転移巣形成モデルにおけるメトホルミンの抗腫瘍効果2021
Author(s)
木村沙織, 本間重紀, 志智俊介, 沢田尭史, 杉山 昂, 松井博紀, 今泉 健, 宮岡陽一, 江本 慎, 市川伸樹, 吉田 雅, 北村秀光, 武冨紹信
Organizer
第121回日本外科学会学術定期総会
Related Report