Project/Area Number |
20K17607
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大畠 慶直 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10781130)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肝類洞閉塞症候群 / PDE-Ⅲ阻害薬 |
Outline of Research at the Start |
肝類洞閉塞症候群(sinusoidal obstruction syndrome: SOS)は病態が不明で治療法も確立していない。我々は肝移植後にSOSを発症した症例の生検組織で類洞内皮障害を生じ血管外で血小板が凝集する現象を確認した。この血管外血小板からトロンボキサンA2が放出され血管収縮作用により門脈圧が亢進しSOSが発症すると考えた. 一方、PDEⅢ阻害薬であるミルリノンは血管内皮保護作用, 血管拡張作用のみならず, 高濃度では抗炎症作用を持つと報告されている. 本研究では, SOSモデルラットにミルリノンを経脾臓的投与し類洞内皮障害, 血管外血小板凝集および肝障害が予防できるか検討する
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Outline of Annual Research Achievements |
化学療法や肝移植後に発症する肝類洞閉塞症候群(SOS)に関して病態の解明と予防法の開発が本研究の目標である。肝類洞閉塞症候群ラットモデル (monocrotaline: MCT 経口投与) に対して 発症前にPDE-III阻害薬であるMilrinone (MIL)を経脾的投与し, 類洞内へ高濃度で到達させることでSOSを予防できるかを明らかにすることを研究目標としている。 高濃度で肝にMILが到達できるようにまず脾を皮下に埋没する処置を全身麻酔下で行う。コントロール群、MCT単独投与群、MCT+MIL投与群の3群にわけて実験を開始する。脾臓手術を行った後にMILを1日2回経脾的に投与を開始する。術翌日にMCTの強制経口投与を行う。術後3日目に犠牲死させて肝臓を採取し顕微鏡的に観察を行う。また採血を行い生化学検査を行い比較する手法で実験を行った。 MCT単独投与群では大量の腹水が生じていた。MCT投与モデルでは顕微鏡的に中心静脈領域の肝細胞の脱落、出血壊死が見られるMILの予防投与したラットではそれらの所見がみられない。血液生化学的検査ではAST/ALT, ビリルビン, LDHの上昇がMIL投与群では予防が可能であった。またMIL投与群では類洞内皮障害マーカーであるヒアルロン酸の上昇も抑えられており血小板の低下も予防できていた。MILによるSOS予防は類洞内皮保護効果がその機序として予測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝類洞閉塞症候群をPDE-III阻害薬による予防効果は顕微鏡的を用いた評価でも, 血液生化学的検査結果でも現れている。PDE-III阻害薬によるSOS予防効果の機序を明らかにすることが必要であるが現在の実験結果からは類洞内皮保護作用であると生化学検査結果からは推測しているが、類洞内皮の保護作用を更に詳細に検討するには組織検体を用いた免疫組織学的検討が必要であるが、それらの実験がまだ行えていない。 2022年度はコロナ患者を受け入れる関連施設への移動があり実験を行うことが困難であった.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染が5群になったことで比較的自由に施設間の移動ができるようになり 再度実験施設へ通えるようになった。研究機関を延長したこともあり今年度追加の実験をおこなっていく。
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