Project/Area Number |
20K17706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 秀之 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00813643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肺静脈狭窄 / 内皮間葉移行 / TGFβ / ラットモデル / EndMT |
Outline of Research at the Start |
肺静脈狭窄症は難治性の疾患であり、発生メカニズムも明らかになっていない。近年、組織の線維化に内皮間葉移行の関与が証明されてきており、動物モデルの肺静脈狭窄症の内皮間葉移行の関与も示唆されている。内皮間葉移行は内皮細胞がその形質を間葉系(線維芽細胞)に転化させる現象で、その特性として可逆性(間葉から内皮への逆転化)の可能性があげられるため、メカニズムが解明されれば難治性だった肺静脈狭窄に対する新しい治療法解明の一助になる可能性が高い。今回の研究ではラットを用いて新たな肺静脈狭窄モデルを作成し、肺静脈狭窄のメカニズムの解明と新しい治療法の開発を目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
小児先天性心疾患の分野で肺静脈狭窄症は難治性の疾患であり、発生メカニズムは明らかになっていない。この研究ではラットを用いて今まで確立していない肺静脈狭窄モデルを作成し、肺静脈狭窄のメカニズムの解明、内皮間葉移行(EndMT)の関与と新しい治療法の開発を目標とする。 1つの目的はラットの肺静脈狭窄モデルの確立であり、下記の研究計画を立てた。ラット肺静脈狭窄モデル作成(パイロット研究、下記グループ①と④のデータ収集、解析) 生後8-10週のラットを用いて肺静脈狭窄モデルを作成する。麻酔機器(吸引麻酔イソフルラン、人工呼吸器)、手術器具(As one 1-8278-01 極小鉗子等付き、3.5倍拡大鏡)を用いてラット静脈狭窄モデルの確立を目指す。<バンディング手技>全身麻酔下にラットの第4肋間で側方開胸。肺静脈を同定しその左房への流入部に非溶解糸(4-0絹糸)または溶解糸(4-0 Mnocryl)でバンディングをかける。1週間あけて対側のバンディングを行う。以下のグループに分けデータを収集する。①両側(非溶解4-0絹糸)バンディング(n=10) ②溶解する糸(溶解糸Monocryl)での両側バンディング(n=10)Monocrylは生体内で2週間で残留抗張力が20-30%になるため、2週間以降ではバンディングが解除された状態になる ③両側バンディング後(非溶解4-0絹糸)のTGFβ受容体阻害薬投与(n=10)TGFβ受容体阻害薬はSB-525334を使用しバンディング後3週から投与を開始する(3年目の主課題) ④コントロール(n=10)バンディング同様の手技は行うがバンドはおかずに閉胸する。 モデルの再現性は確立されてきた。しかしまだ解析に十分な数の実験データは得られていない。今後数を重ねていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺静脈狭窄モデルはラットではまだ確立したものがなく(ブタでの肺静脈狭窄モデルは以前に達成している。Pulmonary vein stenosis and the pathophysiology of‘‘upstream’’ pulmonary veins. Kato. et al. J Thorac Cardiovasc Surg 2014;148:245-53)、手術手技に熟練を要する。手技に安定しモデルの再現性は確立されてきたが解析できるほどの実験数に至っていない。片側開胸での手技の変更、道具の工夫、麻酔の工夫などを行っていき解析可能なデータの収集をめざしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
モデルの再現性を確立した後、データ解析を進めていく。 以下のグループに分けデータを収集する。 ①両側(非溶解4-0絹糸)バンディング(n=10) ②溶解する糸(溶解糸Monocryl)での両側バンディング(n=10)Monocrylは生体内で2週間で残留抗張力が20-30%になるため、2週間以降ではバンディングが解除された状態になる(2年目の主課題)③両側バンディング後(非溶解4-0絹糸)のTGFβ受容体阻害薬投与(n=10)TGFβ受容体阻害薬はSB-525334を使用しバンディング後3週から投与を開始する(3年目の主課題)④コントロール(n=10)バンディング同様の手技は行うがバンドはおかずに閉胸する。バンディング後6週間の時点をエンドポイントとし血行動態、圧を測定後、心肺組織、肺動静脈を採取する。●経胸壁心エコー :バンディング前、バンディング施行後3週間、6週間で行う。右室負荷、肺高血圧、三尖弁機能、心機能の測定。●血行動態・圧測定:バンディング施行後6週間で行う。胸骨正中切開により心臓を露出し心尖部からのカテーテル挿入にて右室圧、肺動脈圧を測定。●Western-blot analysis:各肺静脈から抽出したタンパクをWestern-blotにかけて内皮(CD31)および間葉マーカー(α-SMA)、TGFβの発現を定量的に調べる。CD31,α-SMA,TGFβの試薬購入。●遠隔部肺静脈の摘出・HE染色・蛍光染色:肺静脈のHE染色および蛍光染色をし各マーカーの発現をみる。肺静脈バンディング群における遠隔部の肺静脈の内皮1層構造は破壊、線維芽細胞の増生による内膜肥厚を検証する。以上を進めていく予定である。 両側バンディングが困難である場合は両側の部分を片側に変更して実験を進める。
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