Project/Area Number |
20K17960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 恒介 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (10759773)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 神経膠腫 / 治療抵抗性 / CRISPR/Cas9 / CRISPRスクリーニング / IDH変異 |
Outline of Research at the Start |
低悪性度神経膠腫(LGG)は初期に緩徐な増殖を示す一方で徐々に悪性の性格を示し、しばしば致死的となる腫瘍である。LGGの8割はIDH変異が腫瘍発生に関与し、IDH変異がない症例とは遺伝学的にも臨床的にも大きく様相が異なる。IDH変異LGGに対し、化学療法や放射線治療は腫瘍縮小効果を示すが、経過中次第に抵抗性を示すようになる。本課題では、IDH変異LGGに対し一細胞毎にDNAバーコードを導入し治療前後に生存する腫瘍群を比較することで、治療抵抗性がいつ獲得されているのか、そして治療抵抗性獲得には遺伝子異常やエピゲノム変化の蓄積がどのような影響を与えるのかの解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍、特に低悪性度神経膠腫のゲノム異常が明らかになりつつある。神経膠腫の8割はIDH1変異が腫瘍発生に関与し、乏突起膠腫系と星細胞腫系の系譜に分かれ、特有の遺伝子変化を獲得しながら、 時間空間的に指向性を持って悪性転化・進展する。低悪性度神経膠腫に対する化学療法や放射線治療は腫瘍縮小効果を示すが、経過中次第に抵抗性を示すようになる。これらの腫瘍が腫瘍発生~診断~悪性転化~腫瘍死という時間軸のなかで、治療抵抗性をいかに獲得してくるのかは不明である。本課題では、IDH1変異神経膠腫において(1)治療抵抗性を持つサブクローンの起源と、(2)腫瘍発生~悪性転化~腫瘍死という時間軸におけるゲノムとエピゲノムの変化が、治療抵抗性にいかにかかわっているのかを明らかにすることを目指す。 我々は、IDH1変異神経膠腫細胞株に対し、新規分子標的薬である変異IDH1阻害剤を投与した際の、細胞の増殖能や形態的変化、変異タンパク質が産生するD-2-ヒドロキシグルタル酸(D2HG)の発現量や、RNAシークエンスによる網羅的な遺伝子発現を確認した。その結果、変異IDH1阻害薬は、D2HGの発現を有意に抑制し、DNAおよびヒストンのメチル化による抑制されていた遺伝子の発現が高まる一方で、増殖能や細胞形態には変化を起こさなかった。当初の計画では、DNAバーコードライブラリを用いた治療によるサブクローン変化の追跡を予定していたが、入手可能な細胞株は阻害薬投与の有無による増殖変化を示さなかったため、サブクローン変化追跡には不向きと判断された。代わって我々は、CRISPR/Cas9を用いて遺伝子機能と治療抵抗性に関するゲノムワイドな探索を行った。その結果、変異IDH阻害薬に対する治療抵抗性を引き起こす候補遺伝子を同定し、現在in vitro実験を進めている。
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