前帯状皮質におけるケタミン及びケタミン代謝物の疼痛抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K18072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山中 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30597084)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 前帯状皮質 / whole cell patch-clamp / LTP / ケタミン / ケタミン代謝物 / 過分極ヌクレオチドチャネル / 抗不安作用 / 疼痛抑制 / NMDA受容体 / パッチクランプ |
Outline of Research at the Start |
慢性疼痛はADLやQOLを著しく低下させるものであり、身体的・精神的苦痛を強いられている。種々の作用機序の鎮痛薬が開発されているが、既存の薬剤では十分な鎮痛効果が得られていない患者が未だ多く存在する。そのような中、ケタミン及びケタミン代謝物による鎮痛作用・抗不安作用が注目されている。また、近年、前帯状皮質が痛みや不安に深く関係し、慢性疼痛に影響を与えていることが報告されている。本研究の目的は、明らかにされていない前帯状皮質におけるケタミンの作用メカニズムを、パッチクランプ法を用いて単一細胞レベルおよびシナプスレベルで電気生理学的に解明し、行動学的実験によっても明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
C57BLマウスの前帯状皮質(ACC)に経頭蓋的カニューラを設置後、ハミルトンシリンジを用いて逆行性トレーサーDiIを注入し、48時間後に脳冠状断スライスを作成。視床内側腹側核のニューロンにwhole cell patch-clampを適応し、過分極ヌクレオチドチャネル電流(Ih current)を記録した。記録電極内にBiocytinを混入させ、記録後に免疫染色にてニューロンを確認した。DiIに染色されないニューロンと比較し、DiIに染色されたニューロンのIh currentは1μMケタミン(KET)及び1μMケタミン代謝物(HNK)によって優位に抑制された。 Presynaptic LTP(Pre-LTP)の誘発に過分極ヌクレオチドチャネルの活性が関与していることから、これらの結果からKET及びHNKによるPre-LTP抑制は、過分極ヌクレオチドチャネルの抑制によることが明らかとなった。 これまでにPre-LTPは不安誘発性の慢性疼痛の原因と考えられており、低濃度KET及びHNKは疼痛抑制効果を示すメカニズムが明らかとなった。2022年度では神経障害性モデルマウスの前帯状皮質にカニュレーションを行い、KETを投与により、高架十字迷路テスト及びホットプレートテスト、von Freyテストにて不安行動の減弱及び疼痛閾値の改善を認めた。引き続きケタミン代謝物HNKにおいても同様の実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
和歌山県立医科大学大学院及びトロント大学整理学講座にて電気生理学研究を重ね脊髄細胞、脳神経細胞にwhole cell patch-clampを適応し、記録を取ることが 可能である。また、電気生理学的手法には習熟しており、薬理学的検討に対しても行うことができる。ただし、基礎研究に当てる時間が限られていることから当初の計画に若干の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って、2022年度にできなかった分の研究を遂行する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)