Project/Area Number |
20K18076
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
赤津 頼一 東邦大学, 医学部, 講師 (20795190)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 半月板 / 半月板損傷 / 多血小板血漿 / 滑膜 / 変形性膝関節症 |
Outline of Research at the Start |
変形性膝関節症(膝OA)は軟骨変性を主体とする変性疾患であり、予防や治療法は未だ完全には確立されていない。半月板は膝関節の安定、摺動、衝撃吸収、軟骨保護作用を有しており、損傷することでそれらの機能を失い、膝OAの進行を促進すると言われている。そこで半月板損傷を早期に診断し、修復することが重要であるが、損傷形態によっては修復困難な症例が存在する。近年、膝関節の軟骨修復に滑膜や多血小板血漿(PRP)が注目されている。本研究では滑膜やPRPを用いて、修復困難な半月板損傷が治癒可能か、肉眼的かつ組織学的に検討する。これにより膝OAの発症・進行予防につながる新たな治療法開発に向けた研究基盤を確立する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
これまで修復困難な半月板損傷に対しては切除術や縫合かつ血餅移植が多く行われてきたが、治療として完全ではなく、縫合後も再断裂を来す症例があり、課題が残されている。一方で滑膜には幹細胞が豊富に含まれており、増殖能や分化能が高いこと、またPRPには豊富な成長因子が含まれていることから、両者を損傷部に注入することで修復困難な半月板損傷の修復が可能になると期待される。さらに器官培養系を用いてその修復機序を解明することは、現在切除か縫合しかない半月板損傷治療の新たな治療法開発のための研究基盤を確立することになる。また現在、半月板損傷はMRIで診断されているが、MRIは高額、早急な検査が困難、体内金属の問題など、全ての患者に適応とはならない。しかし超音波検査はより安価かつ早急に施行可能であり、健側とも容易に比較が可能など、利点が多い。代表者の最終的な目標は半月板損傷を超音波で迅速に診断し、修復困難な損傷の場合、患者由来の滑膜やPRPを損傷部に投与することで修復を促進し、膝OAへの進行を予防する半月板損傷の新たな治療体系を確立することである。そこで膝OAの原因である修復困難な半月板損傷に対する治療体系基盤の確立とその修復メカニズムの解明が必要である。今回、半月板損傷モデルを作成し、滑膜やPRPによる治療の効果判定を肉眼的、組織学的に行う。また分子レベルでの修復メカニズムの解明のために定量的PCR法で遺伝子レベル、ウェスタンブロット法 でタンパクレベルの発現解析を行い、修復過程のどの時期にどの分子の発現が増加または減少するのかを調べる計画である。治療効果判定のために、処置した半月板の面積をImage Jで計測して、治療前と比較し、更に組織学的判定をトルイジン・ブルー染色と免疫組織 染色(collagen-I, -II)で行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の対象となる人工膝関節置換術(TKA)患者の大半が、高齢者や関節リウマチ患者(変形性膝関節症や膝骨壊死症以外の診断)であり、COVID19の影響で手術が減少し本研究の対象となり得る検体が不足していた。またTKA時に外側半月板の変性や断裂があると使用できないという制限があったため、さらに対象者を拡大し、積極的にアプローチしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
COVID19の影響軽減に加え、対象を拡大することで、さらに検体を集め採取し、以下の通り実験を遂行する。 1.治療効果判定のために、半月板の面積を Image J で計測して、治療前と比較する。 2.組織学的判定をトルイジン・ブルー染色と免疫組織染色(collagen-I, -II)で行う。 修復が確認できた後、修復部の遺伝子解析やタンパク発現を解析する。
|