子宮内膜異型増殖症を発生母地とした類内膜腺癌の新規病態発生機構の解明
Project/Area Number |
20K18194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岡田 匡氷 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30867453)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 子宮内膜癌 / tight junction / malignancy / claudin / HDAC inhibitor |
Outline of Research at the Start |
子宮内膜癌は我が国で増加し続けている。子宮内膜癌type Iである類内膜癌は、癌細胞の増殖に密接な関与がみられるリーキー型タイト結合分子claudin-2を高発現し、子宮内膜異型増殖症を発生母地として考えられているが、詳細な発癌過程は未だ分かっていない。本研究は、claudin-2の高発現調節機構の解析を通して子宮内膜異型増殖症から類内膜癌への発癌過程を解明し、治療につなげることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜癌type Iである類内膜癌(endometorioid)は、癌細胞の増殖に密接な関与がみられるリーキー型タイト結合分子claudin-2を高発現し、子宮内膜異型増殖症を発生母地として考えられているが、詳細な発癌過程は未だ分かっていない。子宮内膜異形増殖症は前癌病変であり癌化のリスクが高い。また子宮を摘出した場合でも、既に癌が並存する確率が高く、新たな治療方法が望まれている。 子宮内膜癌は、いくつかのタイト結合分子の発現異常が報告されている。特に組織型により子宮内膜癌type II (seropapillary)ではタイト結合膜貫通分子claudin-1が、type Iである類内膜癌(endometorioid)ではclaudin-2の高発現が知られているが、そのメカニズムおよび役割については分かっていない。さらにclaudin-2の発現は子宮内膜増殖症の一部の腺上皮細胞において局在の変化がみられる。Claudin-2は発現により透過性が亢進するリーキー型claudinとして知られ、肺腺癌では癌細胞の増殖への関与が考えられている。具体的には、claudin-2をノックダウンさせると細胞周期調節因子であるZO-1 associated nucleic acid binding protein (ZONAB)の発現量が低下してG1期の細胞が増加していた。一方、子宮内膜の成熟には腺上皮細胞と間質細胞の相互作用が重要である。増殖症を発生母地とした類内膜癌の発生過程においても、間質細胞の関与が十分考えられる。さらに重度の子宮内膜症でみられる線維化における線維芽細胞からの増殖因子の関与も考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織を用いた検討として、現在までの結果として、claudin-2の発現は、子宮増殖症から一部の腺上皮細胞において局在変化がみられ、癌化とともに高発現が認められた。さらに既知のデーターにおいて類内膜癌のclaudin-2の高発現における生存率の低下がみられている。 また正常子宮内膜細胞系を用いてRho/ROCKシグナル阻害剤Y27632およびTGF-β処置により細胞の遊走の亢進がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
難治癌である子宮内膜癌の治療を目的に新規の発癌および悪性化のメカニズム解析を行う。解析系としては、正常子宮内膜(上皮細胞、間質細胞)および子宮内膜癌細胞株を用いて、一部の癌細胞に高発現が知られているタイト結合分子claudin-2に焦点を当てる。さらに癌細胞の代謝を最近導入した細胞外フラックスアナライサーを用いて解析する。最終的には細胞代謝を介したclaudin-2の発現調節機構を解明し治療薬の開発を目指す。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)