Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
頭頸部扁平上皮癌に対する治療には手術のほかに、シスプラチンを中心とした化学療法と放射線療法がある。再発・転移性の腫瘍に対しては近年、VEGFR阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬が実用化されているが、予後が十分改善したとは言えない。申請者らの研究室では以前から新たな治療標的となる分子を検索してきた。本研究ではCXCR4というケモカインレセプターに焦点を当て、それが頭頸部扁平上皮癌の新たな治療のターゲットとなるかどうかを明らかにするため、その機能を詳細に検討することを目的とする。他領域の癌ではすでに臨床応用が始まっており、頭頸部扁平上皮癌領域においても新たな治療のターゲットとなることが期待される。
下咽頭癌細胞株を培養して予備実験を行い、予備実験で発見した事項を実際の臨床検体において後方視的に確認するため、下咽頭癌患者をリストアップした。それらの患者に対して免疫染色を行い、SDF-1の発現などを確認する予定であった。