Project/Area Number |
20K18311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河合 良隆 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50862223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | バリア機能 / 声帯 / 再生 / 上皮バリア機能 / 組織修復 |
Outline of Research at the Start |
声帯粘膜の上皮バリア機能についての知見は限定的で傷害治癒に関する報告は過去にない。上皮バリア機能の修復機構解明を以下の手順で行う。 ① In vitroで声帯粘膜上皮バリア機能傷害モデルの確立 ② 同モデルでの傷害後修復過程観察 ③ In vivoでの声帯粘膜上皮バリア機能の役割評価 ①のin vitro傷害モデル確立では、胃食道逆流を模倣した酸傷害、外傷後を模倣した物理障害、バリア機能を選択的に阻害するウェルシュ菌毒素にて傷害する。②の修復過程の評価では、バリア機能修復に要する時間や不可逆的な傷害となる強度を評価する。③のin vivo実験は、培養環境ではなく生体内でバリア機能修復を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は声帯上皮粘膜の上皮バリア機能の傷害と治癒過程を観察するためのin vitroモデルにて、タイトジャンクション機能が傷害後どのように変化するのか評価することを目的に 透過型電子顕微鏡にて細胞微小構造を観察することや、ビオチン化試薬透過性試験を試みた。電子顕微鏡での観察については正常状態での観察は可能であったが、傷害後の観察は変性が強く観察が困難であった。ビオチン化試薬透過性試験に関しては培養細胞が非常に薄い構造であるため、透過評価がうまくできず断念した。 昨年以前の研究成果をあわせた概要は以下の通りである。声帯粘膜上皮由来培養細胞の上皮バリア機能はpH4の培地を一定時間曝露するという酸傷害で経上皮電気抵抗(TEER)が80%程度まで悪化するという機能低下を認めるが細胞死はLive dead stainで増加しないことを確認した。さらにTEERは24時間後に回復することを確認した。さらに、2mg/mlペプシン付加することでTEERは酸単独より悪化し60%前後になることがわかった。一方で細胞表面に有る微絨毛を走査型電子顕微鏡で確認すると酸傷害で微絨毛は減少するが、ペプシンの付加を行っても微絨毛の減少程度は酸傷害単独時のそれと同等であった。上皮バリア機能に影響を与える傷害は様々な種類があり、傷害の種類によって機能不全に陥る部位に違いが有ることがわかった。 現在分かっている内容で論文にまとめるため現在研究内容をまとめて論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
培養した声帯粘膜上皮を透過型電子顕微鏡にて観察し タイトジャンクションやアドヘレンスジャンクションなど上皮バリア機能に関与する細胞微小構造を観察することを試みた。傷害を行っていない状態での構造は確認可能であったが、傷害したあとの細胞は構造が変化しており上記の構造が残っているのか破壊消失しているのか判定が困難であり評価不能という結論に至った。 ビオチン化試薬透過性試験は培養細胞の層が薄く、透過しているのかどうか判定が困難であったため評価を断念した。 現在、すでにわかった研究成果を論文の体裁にまとめるべく執筆作業中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の時点でわかっている研究成果を元に論文を執筆中で、完成次第英文査読付き専門誌に投稿を予定している。論文をまとめる過程で再度文献を渉猟し、現在試していない評価方法が渉猟文献中に有るようならば、追加実験として行うつもりである。
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