Project/Area Number |
20K18428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56070:Plastic and reconstructive surgery-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
原 茂 久留米大学, 医学部, 助教 (10624447)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 陳旧性顔面神経麻痺の再建 / 動的再建 / 咬筋移植 / 透明化標本作製 / 神経・血管の可視化 / Fresh cadaver / 咬筋による再建 / 透明化標本 / 咬筋移行術 / 神経染色(Sihler 染色) / 神経筋接合部 / 電子顕微鏡観察 / 血管内注入 / 顔面神経麻痺 / 3次元形態解析 |
Outline of Research at the Start |
陳旧性顔面神経麻痺の動的再建において、側頭筋移行術は汎用されており一定の成果が報告されている。口唇周囲への咬筋移行術は術野と同じ部位に咬筋が存在するため、手術侵襲が少なく有用な方法であるが「笑いの再建」には筋の収縮ベクトルを意識した効果的な咬筋移動が必要であり、術式に工夫の余地がある。 本研究の目的は、咬筋の栄養血管および運動神経支配を三次元形態解析することで、咬筋 を用いて安定した血行を持ち、かつ、筋の多方向収縮ベクトルを持つ有効な移行術式を確立 するための知見を提供し、自然な「笑いの再建」に貢献することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、咬筋の栄養血管および運動神経支配を三次元形態解析することで、咬筋を用いて安定した血行を持ち、かつ筋の多方向収縮ベクトルを持つ有効な移行術式を確立するための知見を提供することを目的としている。 2020年度は、咬筋を透明化するための予備実験として、ヒトの外眼筋内における神経の走行の方向性および神経終板の分布範囲を確認した。手順通りに透明化及びシラー染色を行い、筋体内を走行する神経が染色されることを確認した。この後、組織の透明化を行うことで末梢まで神経の走行を確認した。 2021年度はヒトの咬筋(頬骨付き)を用いて咬筋全体の透明化を試みた。しかし、試料のボリュームが非常に大きく透明化が不十分であった。2022年度は試料への浸透性の良い薬剤の組み合わせを検討して再度咬筋全体の透明化を行ったものの透明化処理が不十分であった。2023年度は、Fresh cadaverより頬骨から下顎骨部までを一塊にして採取し、咬筋内の血管・神経系の剖出を行った(n=2)。咬筋前面から剖出した場合、咬筋神経は頬骨弓に近い咬筋深層から下顎骨下縁に向かって走行し、その後、咬筋表層に侵入して多数の枝を出すことがわかった。 また、咬筋神経の枝は主に咬筋の前方1/3に分布していることがわかった。咬筋後面からの剖出では、咬筋侵入前の咬筋神経は太く、容易に同定可能であった 。一方、咬筋内に分布する咬筋神経やその枝は極めて細かった。咬筋動脈は咬筋の後面のみで観察され、咬筋後方より前方に向かって走行することがわかった。咬筋の前方1/3を下顎骨および頬骨弓より剥離したところ、咬筋動脈・咬筋神経が繋がったまま大頬骨筋の位置に移動させることが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでヒトの咬筋を用いて、咬筋全体および頬骨弓を付着させたまま組織の透明化を試みてきたが、試料のボリュームが非常に大きく透明化が不十分であった。そこで、透明化を行わずFresh cadaverの試料を用いて咬筋内の血管・神経系の剖出を行ったところ、咬筋内に分布する咬筋神経および咬筋動脈の分布と走行を可視化することができた。研究の目的である咬筋を用いて安定した血行を持ち、かつ筋の多方向収縮ベクトルを持つ有効な移行術式を確立するための知見を得られる見込みが立ったため、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
咬筋神経および咬筋動脈の分布と走行を解析する手法を確立したため、今後は当初予定していたサンプル数の解析を実施する。
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