Project/Area Number |
20K18625
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
瀧田 美奈 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (30848263)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | PEEK / 歯冠修復材料 / UV処理 / 化学的接着 / PEEK / 破壊強度 / 補綴装置 |
Outline of Research at the Start |
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は,その優れた機械的強度や生体適合性から歯冠補綴装置用材料として応用が検討されている.しかしながら,PEEKは半結晶性であることから透明感がなく,歯冠色の再現が困難なため,審美性が高く要求される部位においては,歯冠色材料の前装が必要と考えられている.そこで本研究は,コンポジットレジン前装PEEK冠の臨床応用に向け,PEEKと前装用コンポジットレジンの接着を向上する表面改質法の開発を目的とし,①PEEK表面に,前装用材料と接着する官能基を導入する表面改質法,②表面改質したPEEK材と前装用材料の機械的強度,③前歯部全部被覆冠としての有用性を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は,その優れた機械的強度や生体適合性から新規メタルフリーの歯冠補綴装置用材料として応用が検討されている.しかしながら,PEEKは半結晶性であることから透明感がなく,歯冠色の再現が困難なため,審美性が高く要求される部位においては,歯冠色材料の前装が必要と考えられている.そこで本研究は,ハイブリッドレジン前装PEEK冠の臨床応用に向け,PEEKとハイブリッドレジンの接着を向上する表面改質法の開発を目的とする. PEEK材の板状試験片を作製し,被着面を耐水研磨紙で研磨後,184.7 nmと253.7 nmの波長を発生させる紫外線照射器を用いて表面改質を行った.その際に雰囲気(O2,H2O)を制御することにより表面に結合する水酸化物イオンの制御を試みた.MMA系の歯科用接着材料を利用してCAD/CAM用ハイブリッドレジンブロックを接着させた.その後,万能試験機にて専用治具を用いて,JIS T6517に準拠したせん断試験を行い,接着強さを評価した. さらに,審美性と機能性が要求される上顎中切歯の歯冠補綴を想定したハイブリッドレジン前装PEEK冠を作製し,接着性レジンセメントで接着し,万能試験機を用いて,歯軸方向から45°の角度で破壊が生じるまで荷重を負荷し,最大荷重値を記録する.破壊試験後,破壊形態・破断面,歯根の破折を実体顕微鏡にて拡大下で観察を行い,破折様相を分類し,前装冠としての有用性を評価する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
未使用額が生じた理由は,接着条件の再検討が必要となったこと,購入予定であった消耗品等が既存のもので遂行可能であったため購入金額が計画よりも少なく なったためである.また,新型コロナウイルスの感染拡大にともない,研究活動が一時停止になったためである. 未使用額と次年度使用額を併せて以下の項目に関して使用する予定である.①試料作製に必要な薬品,材料,消耗品の購入,②せん断接着試験およびクラウン形 態での破壊試験のための必要な材料,消耗品,③研究成果発表のための旅費(国内会議,国際会議)および英語論文投稿費用など.
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Strategy for Future Research Activity |
歯冠修復材料として使用する十分な接着が必要とされるため,表面改質後の接着処理方法について評価を行う.PEEKとハイブリッドレジンの複合体の機械的強度を求めるために,3点曲げ試験による弾性係数および3点曲げ強度の算出を行う. 審美性と機能性が要求される上顎中切歯の歯冠補綴を想定したハイブリッドレジン前装PEEK冠を作製する.製作した冠をデュアルキュア型レジンセメントでレジン支台歯に合着し,試料をアルミリング(直径20 mm,長さ30 mm)の中にアクリルレジンを用いて、包埋する.万能試験機を用いて,ステンレス鋼製圧子にてクロスヘッドスピード1.0 mm/minで,歯軸方向から45°の角度で破壊が生じるまで荷重を負荷し,最大荷重値を記録する.破壊試験後,破壊形態・破断面,歯根の破折を実体顕微鏡にて拡大下で観察を行い,破折様相を分類し,前装冠としての有用性を評価する. なお,破壊強度の低下が認められた際には,PEEKフレームの形状を再設計する.
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