Project/Area Number |
20K18800
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57080:Social dentistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小坂 萌 東北大学, 歯学研究科, 助教 (90706871)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 歯科的身元確認 / 個人識別 / 歯科法医学 / 歯冠色歯科材料 / 蛍光波長 / 色差 / 歯科的個人識別 / 色彩・蛍光波長 |
Outline of Research at the Start |
近年,歯科所見による身元確認が有用であることは広く知られるようになった. しかし,遺体は様々な環境因子により口腔内の状態は生前とは大きく異なることが考えられる.一方, 臨床においては審美性の高い歯冠色材料が多く開発されており,死後の歯科所見採取の際に今後さらに多く目にすることが予想される.そこで本研究では,身元不明遺体の口腔内を想定し,①被熱,②湿潤,③乾燥,④土壌の4つの特殊環境下における歯冠色材料の経時変化について,標準光源を照射した際の近紫外・可視光領域における反射光・蛍光を分光測色計・分光計を用いて客観的に評価する方法を確立し,歯科的個人識別に資する指標を提示することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
歯科的身元確認が必要な事例の場合、遺体の口腔内環境は生前と大きく異なることが多いと考えられ、歯科所見採取に苦慮する。さらに近年の歯科材料および歯科治療技術の向上により歯冠色材料と天然歯との鑑別は非常に困難である。本研究では法医学的資料を想定し、特殊環境下に曝露された歯冠色材料の色調および蛍光変化について分光測色計、分光計を用いて客観的に評価し、歯科的個人識別に有用な指標を提示することを目的としている。 本年度は熱環境下を想定した実験を進めた。コンポジットレジン6製品およびグラスアイオノマーセメント2製品、計8種類の歯冠色材料を用いて直径15㎜、厚さ1㎜の円板状のサンプルを作成し、加熱温度を200℃および300℃、各温度下において10分間および30分間の加熱を行った。この4条件について5回の反復実験を行い、加熱前後における蛍光強度とピーク波長を分光蛍光光度計(F-7000, HITACHI, Japan)および分光計(Qmini sprectrometer,RGB photonicsGmbH,Germany)を用いて測定し、比較した。またL*a*b*および色差を分光測色計(CM23d, Konica Minolta, Japan)を用いて測定し、加熱前後の変化について検討した。その結果、200℃においては肉眼的な変化、各測定項目の変化共に顕著ではなかったが、300℃においては蛍光スペクトルおよび色調変化共に明瞭な違いが認められた。本実験結果については現在論文を執筆中であり、来年度中に国際雑誌に投稿予定である。また、本実験結果を受け、最終年度である2023年度には湿潤環境下および土壌中における歯冠色材料の変化を検証するべく、新たな実験を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はこれまでの予備実験を踏まえ、本実験を実施することができた。 研究者家族のコロナ感染および体調不良等により研究を進めることが困難な時期が一定期間(合計約3か月)生じたものの、現在論文執筆に取り組んでおり、研究成果発表の目途が立っていることから概ね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度において測定方法が確立されたことから、最終年度となる2023年度には水中および土壌中における歯冠色歯科材料の蛍光および色調変化について実験を実施し、研究成果を発表する予定である。
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