Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
嚥下関連筋群のうち, 舌筋は食塊の形成や送り込みに関与する一方で, 咽頭期においては後方に運動することで食塊を咽頭から食道へ押し込む運動を行う。しかし, 咽頭期で生じる舌の後方運動能力を評価する方法はこれまで報告されていない。そのため舌を随意的に後方移動させた際の移動距離を計測する方法を試案し, 舌後方運動量計を開発した。本年度は, 嚥下困難を主訴とする高齢者を対象として舌後方運動量計測し、摂食嚥下障害の指標としての適性を評価した。11名 (男性8名)の高齢者(75.0±8.2歳)を対象として, 舌後方運動量, 舌圧, 握力, Body Mass Index (BMI)を評価した。また, 嚥下障害の程度をDysphagia Severity Scale (DSS)を用いて評価した。舌後方運動量と各変数において相関係数を算出し, 舌後方運動量の臨床的な指標としての有用性を検証した, 対象者の属性として, 舌後方運動量の中央値(四分位範囲)は9(4.5-11.5)mmであった。DSSの内訳は, 6(5人), 5 (3人), 4 (1人), 3 (2人)であった。舌後方運動量は嚥下障害の指標であるDSS (r=0.719, p=0.013)と有意な相関を認める一方で, 舌圧 (r=0.245, p=0.468), 年齢(r=0.273, p=0.416), BMI(r=0.418, p=0.203), 握力(r=0.445, p=0.173)との間に有意な相関が見られなかった。本研究により, 舌後方運動量は摂食嚥下機能と関連しており舌圧と異なる舌運動機能を反映していると考えられた。正確な嚥下機能評価のために、後方運動を含めた多方向からの舌運動評価が重要となると考えられた.
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