院内感染防止を目的とした手洗い法の運動学的リアルタイム評価
Project/Area Number |
20K19256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
上條 史記 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (80812726)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 超音波洗浄 / 加速度センサ / Electromyography / Fast Fourier Transform / LowPassFilter / 姿勢 / WHO / Adenosine triphosphate / 手洗い / モーションセンサ / 筋電図 / 加速度 / 擦過力 / 院内感染防止 / リアルタイム / ATP / 加速度波形 / 理想動作 / 手指衛生 / 院内感染低減 / 運動学的 / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
院内感染における病原体が伝搬する経路に、医療従事者の手を介した接触感染が存在する。そのため手洗いは感染管理上、最も基本かつ有効な対策である。しかし手洗いを行っても、掌に洗い残しがあっては院内感染低減には結びつかない。そこで本研究は、モーションセンサから得られた力学的信号と高速度カメラから得られた画像信号を基に、有効的な手洗い動作(理想動作)を求める。また理想動作を基に、手洗い動作の良否判定をリアルタイムで行える教育用手洗い管理・指導システムを開発する。これにより医療従事者による院内感染の低減、国や患者家族の財政負担を軽減することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は超音波洗浄による手洗い前のATP値の規格化と、手洗い中の擦過力の評価を行った。2021年度で加速度のパワー比率の大小と除去率は大きく関係しないこと、除去率が大きくても事前のATP値が高いと合格できなことが確認できた。2022度は、手洗い前のATPを規格化するため、超音波洗浄機を使用し予備洗浄を行った。その後ATPが含有されているローションを塗布しATPの値を一定にし、加速度センサと掌に加わる擦過力を測定するため筋電図を使用し測定を行った。加速度センサから得られた波形を高速フーリエ変換(FFT)、 筋電図から得られた波形を正規化し、 それぞれのデータを除去率と組み合わせて評価を行った。手洗い前のATPの値を規格化することで、 約80%の対象者が合格することができた。また、前年度まで加速度波形では有効な結果が確認できなかったが、Y軸のFFT値のピーク値とATPの除去率に関係が確認できた。その他にも、低域通過フィルタを使用した加速度波形(姿勢値)では、WHO標準法の基本波形と動作が近いほど洗浄効果が高いことが確認できた。筋電図波形では、強い相関関係は確認できなかったが、掌に加える圧力が少ないほど洗浄効果が高いことが確認できた。以上の結果より、日常的にATP値が下がるように指導・教育するには、WHO標準法の推定される姿勢値を守ること、そしてY軸方向の動作に注力することが重要であると考えられる。 しかし、超音波洗浄機を使用して規格化をした際に、20%程度の被験者はATPが落ちにくく、ATPが付着しやすい傾向を示していた。ATP値と付着生菌量の関係を培養法との比較で検討する必要があると考える。また、姿勢値から有効な結果が得られたので、手洗い動画から骨格検出を行い、姿勢値と骨格検出から得られるデータとの評価を行い、リアルタイム評価が可能であるかを検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究進捗はおおむね計画通りに進展している。2022年度の目標である、論文の投稿は出来なかったものの、2021年度で得られた仮説から、明確な手洗いの理想動作の知見が得られたためである。また、研究成果の一部を国内の学会で研究報告を行った。現在、国外の学会誌に論文投稿の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、培養法との比較と姿勢値に着目し研究を進めていく。付着生菌量の関係をATP法と培養法との比較で検討を進め、ATPが落ちにくく、ATPが付着しやすい傾向を示す場合の教育・指導を明らかにしていく。また姿勢値から有効な結果が得られたので、手洗い時の動画から、マーカーレスで骨格検出が可能なソフトウェアを使用し、任意の値を抽出し姿勢値との評価を行い、リアルタイムで手洗いの評価、フィードバックが可能であるかを検討していきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)
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[Presentation] 感染低減を目的とした手洗い法のリアルタイム評価2022
Author(s)
上條史記, 武田朴, 佐竹粋, 徳永龍之介, 伊藤奈々, 安藤ゆうき, 田中裕香子, 島峰徹也, 笠井亮佑, 加納敬, 荻野稔, 日向奈惠, 田仲浩平, 篠原一彦.
Organizer
第97回日本医療機器学会大会
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