慢性閉塞性肺疾患患者の呼吸筋疲労に対する呼気筋トレーニングの効果に関する研究
Project/Area Number |
20K19431
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
|
Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
塚本 敏也 常葉大学, 健康科学部, 講師 (10737357)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 呼吸筋疲労 / 慢性閉塞性肺疾患 / 呼気筋トレーニング / 呼吸筋力 / 呼吸筋筋電図 / 呼吸困難感 / 運動耐容能 / 呼吸筋 / サルコペニア / 最大口腔内圧 / 表面筋電図(呼吸筋) |
Outline of Research at the Start |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の呼吸筋疲労に対する呼気筋トレーニング(EMT)の効果を検証することを目的とする。呼吸筋疲労は、呼吸不全の原因の一つとなることが考えられ、呼吸筋疲労に伴う呼吸筋の収縮力低下が呼吸困難、運動制限に大きく関わっていることがいわれている。私達の先行研究では、呼気筋である腹筋群の疲労が呼吸筋疲労に影響を与えていることを報告し、健常者に対するEMTが呼吸筋疲労の改善と呼吸筋力の向上に効果があることを示唆した。このため、本研究では高齢者を対象とする研究、COPDを対象とする研究の2つの研究構成から呼吸筋疲労に対するEMTの効果を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が終息することなく、呼吸器に関わる本研究課題においても大きな影響を継続して受ける状況となった。本研究は、65歳以上の高齢者と慢性閉塞性肺疾患をもつ方を研究対象としているが、協力施設の感染対策により外部研究者の施設への出入りや研究対象との接触が制限され研究の進捗が遅れている状況である。研究内容は、対象者との接触や呼吸機能検査、呼吸筋力、運動機能検査を伴う測定が必須であるため、新たに測定場所等の確保、被験者等の募集方法などの実施方法を含めた継続した検討が必要である。 このため本研究課題の基礎資料となる既存の測定データ(健常者)をもとに、呼吸筋疲労に対する呼気筋トレーニング(以下、EMT)の効果について再度分析し研究結果をまとめ学術論文の執筆を行った。学術論文では、「The Efficacy of Expiratory Muscle Training during Inspiratory Load in Healthy Adult Males: A Randomized Controlled Trial」をタイトルとして、査読を経てHealthcare誌に掲載された。EMTについては、対象による効果の違いや負荷強度、実施期間、実施頻度についても考慮した上でリスク管理においても検討が必要である。対象による効果の違いでは、特に慢性閉塞性肺疾患患者の病期分類の違いや呼吸筋力低下の程度、呼吸困難感の症状の違いによる実施方法の選択などを検討する必要があるため先行研究の調査なども参考に検討したい。また、健常者においてEMTによる呼吸筋力の増強と吸気負荷に伴う呼吸筋疲労および呼吸困難感の抑制効果を示すことができたため、これらの研究結果を基礎資料として高齢者や慢性閉塞性肺疾患患者へ段階的な介入が必要であると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は呼吸筋疲労の評価方法について、健常者での評価方法をもとに実際の測定手順や呼吸筋筋電図の解析方法、呼吸筋疲労の解釈をまとめ報告した(呼吸器内科 第39巻2号)。この非侵襲的な測定方法は、呼吸筋疲労の評価における臨床上の重要性や呼吸筋疲労検出の有用性について報告することができた。 2021年度は、健常者の既存データを再分析し呼気筋トレーニングの呼吸筋疲労に対する効果に関する論文執筆を行った。呼気筋トレーニングの研究方法や介入結果をまとめることで呼吸筋疲労に対する効果の基礎資料の準備ができた。 2022年度は、基礎資料となる論文が掲載され、呼気筋トレーニングの呼吸筋力増強や呼吸負荷(吸気)における呼吸筋疲労と呼吸困難感の抑制効果を示すことができた。 進捗状況は、本研究課題がはじまった当初から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、研究協力施設の感染対策や外部訪問者(研究者を含め)の施設への出入り、対象者および対象疾患との接触に制限が生じたため研究遂行が困難な状況が継続している。特に、本研究課題は呼吸器に関わる検査が多いため、飛沫・接触感染等の感染対策の観点からも制限が強いのが現状である。高齢者を対象とした研究においても、高齢者が集まる機会や介護予防事業が再開と中止を繰り返す状況となり、被験者募集等の遂行が難しく進捗が遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度と同様に、新型コロナウイルスの感染対策を徹底した研究遂行を計画する。また、改めて研究協力施設(2施設)への協力依頼と新規の研究協力施設の調査を継続し、本研究内容を十分にご説明した上で研究協力の依頼を行っていく。研究協力施設の他にも、測定施設や被験者募集が可能な団体等への協力依頼についても検討する。 研究遂行に必要な呼吸機能検査や呼吸筋力評価については感染対策を講じたうえで個室にて実施できる環境設定や測定時間の短縮を図ることを検討している。 本研究における必須の評価項目である呼吸機能検査、呼吸筋力(最大口腔内圧)の測定には最大吸気・呼気や努力性の測定項目を含んでいるため飛沫等による感染の危険性を排除するために呼吸機能検査用マウスフィルタ(PIF-2A)の使用を検討する。PIF-2Aは、帯電フィルタにより唾液や喀痰等の捕捉と測定機器の細菌汚染を防止し、呼吸機能検査における安全性を高める効果がある。呼吸機能検査に対する安全性について、研究協力施設や対象者にご説明し、研究遂行に必要な環境を整えていく必要がある。 呼吸筋疲労の検出に必要な筋電図解析装置(持ち運び可)については、外部施設でも計測が遂行できるように計測中から計測後に用いる解析ソフトを購入し準備を進めている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)