Project/Area Number |
20K19455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大石 斐子 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (60803351)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 失語症 / 構文障害 / 統語機能 / 文の使用頻度 / 構文 / 使用頻度 / 統語 |
Outline of Research at the Start |
失語症は脳損傷を原因とする言語機能の障害であり、文の理解や産生が困難となることから、他者と円滑にコミュニケーションをとるためのリハビリテーションが行われる。しかしながら、言語訓練によって正しい文を発話できるようになっても、実際の会話では使いこなせない例も少なくない。そこで本研究では、文の障害メカニズムについて、統語構造に加えて「文の使用」という新たな観点から明らかにすることを目的とする。具体的には、文の統語構造および使用頻度を統制した文発話課題を作成し、それらが失語症における構文障害にどのように関与するかを分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、失語症における構文障害のメカニズムについて、統語機能および「構文の使用頻度」という観点から明らかにすることである。当初は文の産生面について調べる予定であったが、2020年度から2021年度に実施した予備実験の結果から、文の使用頻度が構文障害に及ぼす影響を明らかにするためには文の理解面を分析する方が適切であることが判明したため、文理解テストを作成し実施することにした。 2022年度は、2021年度に完成させた文理解テストを用いて、失語症者のデータ収集を実施した。目標としたデータ数に至らず、十分な統計的解析をすることができなかったが、症例ごとの検討において、構文の使用頻度が失語症者の文理解に影響を及ぼすという予想通りの傾向が認められた。すなわち、失語症においては能動文より受動文の理解が困難であるとされるが、使用頻度が高い受動文は能動文と同程度に理解できた。これらの結果については、関連学会にて報告した。 なお、現在までに得られた結果から、構文の使用頻度が失語症者の文理解に及ぼす影響の大きさには個人差があることが分かっている。その要因については、脳損傷部位、失語症タイプ、合併する高次脳機能障害等に起因する可能性がある。しかしながら、現在までに得られたデータでは症例数が少なく、失語症タイプや脳損傷部位にも偏りがあることから、その要因について十分に分析することは困難である。このため、2023年度は、多様な症例からの協力を得ることを目指して、研究協力機関とより密な調整を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
失語症者を対象としたデータ収集を開始したが、新型コロナウイルス感染症の流行が継続していることにより、医療機関で協力を依頼する手続きに時間を要したり、協力予定者の離脱が断続的に発生したりしたため、十分なデータ数を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は失語症者と健常者を対象としたデータ収集を終了する予定であったが、いずれも目標数を満たさなかったため、2023年度もデータ収集を継続する。得られた結果は順次分析し、関連学会にて公表すると同時に、学術論文執筆の準備を進める。医療機関における新型コロナウイルス感染症の影響は暫く継続すると予測されるため、引き続きデータ収集機関に配置した連絡責任者と密に進捗状況を確認し、オンライン会議システムを利用してデータ収集を実施することも検討する。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)