経頭蓋脳刺激と超高磁場MRIで解き明かす運動記憶の神経基盤
Project/Area Number |
20K19629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | Waseda University (2021-2022) National Institute for Physiological Sciences (2020) |
Principal Investigator |
濱野 友希 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 客員次席研究員 (00823254)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 記憶痕跡 / 運動記憶 / 運動学習 / 経頭蓋磁気刺激 / 超高磁場機能的MRI / 超高磁場MRI / 経頭蓋直流電気刺激 / fMRI |
Outline of Research at the Start |
運動技能の獲得における練習の重要性は一般に認識されている。繰り返し練習をすることで記憶痕跡が形成され、パフォーマンス向上をもたらす。しかし、ヒトの運動技能の獲得に伴う運動技能の記憶痕跡の神経機構は十分に理解されていない。 本研究の目的は、1)系列情報の運動記憶痕跡が左半球頭頂間溝の因果的役割、2)体側の一次運動野が系列運動記憶において必須の役割を果たしているかを立証することである。これまで左半球頭頂間溝にて系列内容を含む運動記憶痕跡の保持を報告しているが、本研究課題の完遂により、左半球頭頂間溝が系列情報記憶を形成し、一次運動野が運動情報の統合的役割を担っていること立証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、系列運動学習により形成される系列運動についての記憶痕跡が脳内のどこに局在するかを立証することである。感染症蔓延により当初予定していた経頭蓋刺激実験を行う施設への出入りが制限されたことにより、実施することが難しくなった。そのため2021年度からこれまで行なってきた片手の系列運動学習を、両手の系列運動学習へと展開し、両手学習の際の記憶痕跡を検証するfMRI実験を実施した。両手での系列運動学習を達成するためには、両手を独立して制御するという非系列学習と特定の順序で運動を実行する系列学習が必要である。7テスラMRI装置で計測したfMRI信号の解析により、左一次運動野は両手の非系列学習と系列学習のいずれにも関係する活動変化を示すことが明らかになった。参加者は全て右利きであることから、利き手を支配する一次運動野が両手を使った運動学習において重要な役割を担うことを示唆している。これらの解析結果について11月に北米神経科学会で発表し、国際学術誌への投稿に向けた準備を進めている。 我々の日常生活で行われる手指を用いた動作の多くが両手の協調を必要とする。ヒトの書字のように片手を用いた精密運動は進化的に新しく獲得された能力であり、両手を用いた運動学習の特殊系であるという仮説が存在する。本年度は、この仮説を両手と片手の運動学習の神経基盤を直接比較することで検証する、新たな7テスラfMRI実験を計画した。現時点で5名の参加者による計測を行なっており、来年度前半には必要なデータ取得を完了できる見通しである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年より流行している感染症の影響により、経頭蓋刺激を用いた研究を行うことが困難であった。そのため本研究課題での目的を、超高磁場MRI装置を用いた両手での系列運動学習の記憶痕跡を同定する研究へと転換した。目的を転換することで、緊急事態宣言に伴う移動自粛の影響による遅れを取り戻し、国際学術誌へ報告可能な成果を得ることに繋がった。2020年度はほとんど研究を遂行することが叶わなかった分、2023年度へと期間延長申請を行なっているが、2つ目のfMRI実験も順調に進展しており、「おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長しているため、これまでに得た成果を国際学術誌へと掲載することを優先する。これまで機会が制限されていた国内外の研究者との交流を活発化させるため、国内外の学術会議へ積極的に参加し、これまでに報告してきた成果について発信していく。 現在進めている両手と片手の運動学習の神経基盤を直接比較する実験について、年度前半にはデータ取得を完了し、年度後半には国内研究会で成果について発表する。さらに、延長期間であることも考慮し、年度末までに国際学術誌へ投稿できることを目指す。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Enhanced structural connectivity within the motor loop in professional boxers prior to a match2021
Author(s)
Yuichi Ogino, Hiroaki Kawamichi, Daisuke Takizawa, Sho K. Sugawara, Yuki H. Hamano, Masaki Fukunaga, Keiko Toyoda, Yusuke Watanabe, Osamu Abe, Norihiro Sadato, Shigeru Saito & Shigeru Furui
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 11
Issue: 1
Pages: 9015-9015
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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