妊娠中の栄養・生活環境要因の母児エピゲノムへの影響と妊娠経過および予後との関連
Project/Area Number |
20K19635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | University of Yamanashi (2022) Tokyo Medical and Dental University (2020-2021) |
Principal Investigator |
今井 千裕 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50778842)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 食事の質 / 妊娠期栄養 / DNAメチル化 / 妊娠期環境要因 / 母子コホート / DOHaD / エピゲノム / 複合的環境要因 / 妊娠転帰 |
Outline of Research at the Start |
妊娠中の母体の栄養・生活環境は、妊娠期特有の身体的・生理的変化や心理的要因と相互に影響し合い、短期間で劇的に変化するとともに、母児のエピゲノムにも変化を与えると考えられる。そのため、母児の予後を規定し得る妊娠期の環境要因は、単一的な決定因子としてではなく、複合的に捉える必要がある。そこで本研究では、同一母児の妊娠中および産後の統合的情報を収集し、母児エピゲノムを潜在的指標として、妊娠期の動的な環境要因とエピゲノム状態、および母児の予後との関連を明らかにし、予防医療の観点から、次世代のための妊娠中の適切な栄養環境や修正可能な生活習慣へのアプローチ方法について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期の環境は、胎児発育のみならず母児の長期的な健康にも影響を及ぼす。本研究では、妊娠期から児が2歳になるまでの妊婦の様々な栄養・生活環境要因ならびに児の発育状況を統合的に調べ、この期間の環境が母児エピゲノムや妊娠経過および健康状態に及ぼす影響について検討した。 妊婦の健康指標とエピゲノムの関連では、日本人女性では血清フェリチン濃度が低く慢性的な鉄欠乏状態にある場合が多いことから、特に妊娠中では骨髄造血発生および分化段階に影響するのではないかとの仮説のもと、造血分化を制御するヘム依存性の転写抑制因子Bach1の結合領域を有するIntegrin beta3(ITGB3)を候補遺伝子としてDNAメチル化と血清フェリチン値との関連を調べた。結果として血清フェリチン値が低値の妊婦ではITGB3のヘム・Bach1感受性領域のメチル化はわずかに上昇する可能性が示されたが統計的有意ではなく、今後は候補領域を網羅的に解析することが必要と考えられた。 また現在の日本では、妊婦の低体重と妊娠中の体重増加量の不足が問題となっている。この背景には妊婦の栄養摂取量不足があると考えられているが、一方で体重増加のみを目的とした食事摂取量増加が母児の健康にとって最適であるとは限らない。そこで妊娠中期の3日間の食事記録調査に基づいて妊婦の食事を質の面から評価することを試みた。以前に報告したNutrient-rich food index(NRF)9.3に加え、食事バランスガイドスコアを使用して食事の質を調べ、妊娠前BMIによって区分して体重増加量などとの関連を調べたところ、推奨されるエネルギーを摂取していたほとんどの妊婦では食事の質が低く、体重増加量が推奨範囲内でなかった等の結果が見られた。日本人妊婦においては、エネルギー摂取量のみでなく食事の質を評価するような管理が重要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、妊婦の脂質代謝関連遺伝子やBach結合領域を含むITGB3遺伝子のDNAメチル化、および児のSKI遺伝子のDNAメチル化を臍帯血で測定するなどのエピゲノム状態と環境要因との関連解析を進めてきた。それとともに、栄養素および食品群別摂取量に基づき妊婦の食事の質の評価を行ってきた。食事の質の評価については、NRF9.3やE-DII、食事バランスガイドスコアの他にも、複数の評価指標について検討していたため、母児の健康指標との関連を調べるのに時間を要した。また妊婦の体重増加量との関連については検討を進めてきたが、児の発育データとの関連に関する検討はまだ十分ではない。これらのことからやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では出生後の子に対しても2歳児健診までの結果を収集しておりデータベース化が完了している。次年度は最終年度となるため、妊婦の食事の質の評価と出生児の体格や健康状態と関連を中心に解析を続け成果をまとめたい。またNRF9.3などの指標以外にも、日本人妊婦の食事の質を評価するのに適する指標があるかどうかについて検討を進めていきたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)
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[Presentation] Perinatal maternal mental health, sleep quality, and infant development: A Japanese prospective cohort study2021
Author(s)
Satoshi Yago, Motoko Okamitsu, Noriko Sato, Hidemi Takimoto, Chihiro Imai, Ayako Fudono, Hiroshi Yomogida, Tomoko Aoyama, Naoyuki Miyasaka
Organizer
17th WAIMH WORLD CONGRESS
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Int'l Joint Research
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