Project/Area Number |
20K19638
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Nagoya Women's University (2023) Nara Women's University (2020-2022) |
Principal Investigator |
辻 愛 名古屋女子大学, 健康科学部, 講師 (40826749)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | D-アミノ酸 / DL-アミノ酸分析 / 精神的ストレス / 減数分裂異常 / 拘束ストレス / ヒストン修飾 / 卵子 / D-アスパラギン酸 / エストロゲン / コルチゾール / 卵子の老化 / 酸化ストレス / ストレス / 食成分 / アポトーシス |
Outline of Research at the Start |
不安などの心因性ストレスは、体に様々な不調をもたらす。その一つに卵子の老化がある。卵子の老化とは、減数分裂異常(紡錘体形成異常や染色体不整列)や受精後の胚発生に異常が起きやすい状態をいう。卵子の老化は、不妊症や流産の原因になる。心因性ストレスは、卵子に対して細胞死シグナル(アポトーシス)を惹起させる。これが卵子の老化現象につながると考えられている。本研究では、心因性ストレスから卵子を保護する食成分を探索し、卵子の保護効果を評価する。また、アポトーシスを中心とした作用機序を明らかにする。栄養学的視点を取り入れた生殖医療分野の新しい予防/治療法の確立につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により、一部のD-アミノ酸が慢性的心因性ストレスによる卵子の減数分裂異常やホルモン分泌に影響をおよぼすことが示唆された。しかし、体内に取り込まれたD-アミノ酸の一部はL-アミノ酸に転換されたり、異化代謝されたりする。そのため、マウスに摂取させたD-アミノ酸がD体として体内に存在するのか確証が得られていなかった。そこで、D-アミノ添加食摂取時の血中や組織中のD-アミノ酸濃度を定量するため、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)を用いたDL-アミノ酸分析を検討した。L-ノルロイシンを内部標準として用いることで、DL-アミノ酸39種類のうち30種類において良好な検量線を得ることができた。各アミノ酸の定量限界を求め、生体試料を対象とした分析にも応用できることが示唆された。血漿や脳にはD-セリンが比較的高濃度に存在することが報告されている。血漿中のD-セリンは検出限界以下であったが、今回の分析方法により脳中のD-セリンを検出できることを確認した。そこで、0.3%D-ロイシン食または0.5%D-ヒスチジン食を与えたマウスの血漿を測定したところ、D-ロイシンとD-ヒスチジンを検出することができた。このことから、摂取したD-ロイシンとD-ヒスチジンの一部はD体として血中に存在し、各組織に輸送されると推測される。しかし、試料中の各D-アミノ酸の濃度が低かったことと感度の問題から、定量には至らなかった。そのため、各アミノ酸の生理作用濃度を明らかにすることはできなかった。低濃度での測定を行うためにはLC-MS/MSを用いた分析方法を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の研究拠点が移ったことにより、研究環境の変化に伴う準備、環境整備に時間を要してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
生体内のD-アミノ酸は微量であるため、その測定には感度や物質選択性の高い分析方法が必要である。そのため、LC-MS/MSによるDL-アミノ酸分析条件の検討を行う。これまで卵子との関係性を検討してきたD-ロイシンを中心に、摂取後の血中及び卵巣中のDL-ロイシンの定量に取り組み、D-ロイシンの生理作用濃度や体内動態、安全性について検討を行う。
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