Project/Area Number |
20K19927
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤田 恵介 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (80707844)
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Project Period (FY) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | マルチプレックスイメージング / 1分子計測 / 超解像技術 / 超解像顕微鏡 / トランスクリプトーム解析 / 分子バーコード / 1分子FISH / FISH |
Outline of Research at the Start |
組織内で数十万個の細胞を顕微鏡観察し、それら細胞内のmRNAの種類と位置を高い分解能で計測することは、発生生物学や解剖生理学など、様々な生物学研究に重要な知見を与える。また、そうした技術は、顕微鏡観察などの計測によって人体の細胞の地図の作成を目指す「ヒト細胞アトラス」計画にも貢献し、最終的には病気の診断と治療に役立つ。本研究では、上述の目的のために、計測効率・分解能の点で既存の能力を大きく上回るmRNA標識プローブを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分岐DNA技術を使用した1分子FISH(Fluorescence In Situ Hybridization)法を基に、新規バーコードを付与した分岐DNA 1分子FISHプローブの開発を行った。研究代表者が海外研究滞在のため研究が一時中断し、再開後には研究計画を変更している。研究代表者は海外滞在中に1分子FISHの網羅的イメージングを実施し、現在はこの技術を基に初期の実験計画に沿って新規1分子FISHプローブの開発を試みている。そのため、まず海外滞在中に構築した実験プロトコルの再現性を確認した。特に、現在使用しているmRNA観察用の顕微鏡が海外滞在中に使用したハイスループット顕微鏡と大きく異なるため、実験プロトコルの再現性を確認する際には新たに基礎データの取得が必要だった。また、顕微鏡の変更に伴い解析ソフトウェアも変更した。 当初の計画では、目的遺伝子配列を模したオリゴDNAをガラス表面上に固定し、開発したプローブを標識してその性能を評価する予定だったが、海外滞在中にガラス表面上で機能するプローブでも細胞内で機能しないことが確認されたため、現在は主に細胞内での検証を行っている。また、研究の中断中に新しい1分子FISHプローブや設計用のソフトウェアが発表されたため、それらを活用しながら効率的な新規プローブの開発を進めている。さらに、開発中のプローブが多様な用途に応用可能であり、特に空間マルチオミクス技術への応用を念頭に置いて、蛍光免疫染色と併用できる1分子FISH法のプロトコルを構築することも検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
海外研究滞在中の科研費の中断・再開に伴い、研究計画を変更し、必要となった実験は順調に進んでいる。ハイスループット顕微鏡で構築した実験プロトコルおよび取得したデータの解析ソフトウェアを、スキャニング型共焦点顕微鏡で利用するための、基礎データの取得や再現性の確認は完了した。特に、取得する画像データには顕微鏡ごとの特徴があるため、そのデータを解析するためのソフトウェアは大幅に修正する必要があった。しかし、全体的には研究計画の変更による実験の追加が新規1分子FISHプローブを用いた1細胞トランスクリプトーム解析の遅れにつながっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1分子FISHプローブを用いた1細胞トランスクリプトーム解析は、研究中断中にいくつかのグループから新しい技術の報告があり、また商業的に利用可能な技術も現れている。これらを踏まえ、今後はこれらの技術を利用しながら、新規プローブの開発を進めていくとともに、特定の生物学的現象の観察に向けたプローブの設計修正を行う予定である。測定にかかる時間、計測するmRNAの種類、空間分解能はトレードオフの関係にあるため、観察したい生物学的現象に応じて、柔軟に設計が変更できるプローブの開発は重要である。当初はmRNAの観察のみを想定していたため、サンプル調整過程でタンパク質の分解を行っていたが、タンパク質の分布は生命現象において重要な情報を持つため、蛍光免疫染色との同時観察が可能な1分子FISH法のプロトコルの構築を目指す。
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