過去6000年間の黒潮域塩分低下の発生メカニズム解明
Project/Area Number |
20K19965
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | KIKAI institute for Coral Reef Sciences |
Principal Investigator |
岨 康輝 特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所, 研究部門, 特別研究員 (20747779)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 完新世 / サンゴ骨格 / シャコガイ殻 / 塩分 / 黒潮 |
Outline of Research at the Start |
今後の気候変動によって黒潮域の水循環は年単位でどのように変化するのか?は、日本の社会・経済活動に密接に関係する重要な未解決の問いである。 この問いは高信頼性の気候モデルによる予測で解決できる可能性がある。 しかしながら、これまでの気候モデルは、日本周辺の2 海域の地質学的試料から復元された過去1万年間に起こった黒潮域の長期間の塩分低下を的確に復元できていなく、 信頼性が高いとは言えなかった。この問題を解決するために、本研究は海域・時代が異なる南西諸島離水サンゴ礁から採取した化石サンゴ骨格とシャコガイ殻を用いて塩分履歴を復元し、黒潮域の塩分低下がいつ、どのようなメカニズムで起こったのかを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、過去1万年の間に黒潮域の塩分低下がいつ、どの程度変化したのか、の詳細を明らかにするため、年単位より短い時間分解応で過去の塩分変動を復元できるサンゴ骨格とシャコガイ殻に着目し、黒潮域である南西諸島の離水サンゴ礁から採取した異なる時代・緯度の化石サンゴ骨格・シャコガイ殻中の酸素同位対比と炭酸凝集同位体を測定して塩分復元を行うことである。令和3年度は、令和2年度に化学計測に適していると判定したトカラ列島の宝島と沖縄本島南部サンゴ骨格(現生・化石)の酸素同位対比測定を実施した。具体的には、化石と各離水サンゴ礁周辺海域から採取した現生サンゴ骨格の酸素同位体比を1~2ヶ月の時間分解能で計測した。計測した化石サンゴと現世サンゴの夏期と冬期の酸素同位体比を平均したところ、現生サンゴより化石サンゴで+0.41~0.55‰高いことがわかった。また、新型のレーザー分光装置用いた炭酸カルシウム中の存在量が極微量の二酸化炭素分子(13C16O18O, 質量47、炭酸凝集同位体、Δ47)と海水温のキャリブレーションを行うための前段階として、石垣島白保で採取した現生サンゴ骨格の酸素同位体比の計測を1ヶ月の時間分解能で約4年分行い、明瞭な年周期を検出した。加えて、2021年11月に石垣島名蔵にて野外調査を実施し、化石サンゴマイクロアトールの試料を採取すると同時に、化石のシャコガイ殻の採取に成功した。当該研究の途中成果については2021年度日本サンゴ礁学会第24回大会で発表するとともに、研究に関連した解説書を喜界島サンゴ礁科学研究所特集号に投稿した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)