Project/Area Number |
20K20036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
堀江 未央 岐阜大学, 地域科学部, 助教 (80773522)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 移動 / ジェンダー / 非国家空間 / 中緬国境 / ラフ族 / 中国・ミャンマー国境 / 家族 / 山地民 / ゾミア |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、東南アジアと中国の境界域に暮らす山地民の歴史的・現代的な移動の動態を家族・ジェンダーの視点から分析することにより、長らく非国家空間であったとされる当該地域における人と国家との関わり方およびその変遷、非国家空間の伸縮および衰退の過程を具体的に明らかにすることである。ゾミア論を中心とする非国家空間に関する議論にジェンダーの視点を導入し、国家との接触面で起こる人の移動に家族やジェンダーが果たす役割を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ゾミア論を中心とする非国家空間に関する議論にジェンダーの視点を導入し、国家との接触面で起こる人の移動に家族やジェンダーが果たす役割を解明することを目的としている。本年度は、2023年6月に韓国で開催された国際学会AAS(Association for Asian Studies)にて、20世紀初頭の国境を越えた宣教師の活動によって、ラフ文字の正書法の普及がどのように変遷したかを研究報告した。これについては英語の論集として投稿論文を執筆予定である。 また、2023年9月にはタイ国チェンマイ県ファーン郡のラフ族村落を訪れ、主にミャンマーとの国境を越えた移動に関する聞き取り調査を進めている。タイでの初めての調査であり、デリケートな話題であることもあり情報収集は途上であるが、調査地を選定し、今後さらに調査を進める予定である。 さらに、チェンマイ大学およびオーストリア科学アカデミーに所属する雲南タイ族研究者のRoger Casas氏と、名古屋大学の加藤久美子教授らとともに行っている共同研究「メコン川上流地域における宗教・経済・ジェンダー:人類学的・歴史学的視点から」を本研究とも連動させ、中国雲南省およびタイでの共同調査の可能性に向けて議論を進めている。雲南省は、外国人による調査の難しさが依然として続いているため、調査の実施には慎重を要するが、そのぶんタイでの調査を充実させていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの世界的蔓延に起因する行動規制は収まり、今年度は雲南省での調査を実施予定であったが、外国人の調査に対する規制が厳しくなっており、反スパイ法の制定など様々な要素を勘案した結果、今年度は入境を見送ることになった。その代わりにタイでの調査を実現することができたが、初めての調査ということもあり短期サーベイにとどまっている。今後さらに調査を進める必要がある。 教育活動の面では通常業務が戻ってきたため、前年度よりは落ち着いて研究活動を進めることができ、文献の読解も進めている。しかし、本年度より夫の単身赴任が決定し、子育てに関わる労力が増えているほか、遠方に住む高齢の母の病気の看病もあり、家庭の事情で研究の進度はやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、中国雲南省での調査の再開の可能性を待ちつつ、タイのチェンマイ県ファーン郡のラフ族村落で積極的にフィールドワークを進める。また、海外調査に行かない時期には、東南アジア諸地域のジェンダーや通婚に関する文献の読解を進め、国家との接触面で起こる人の移動に家族やジェンダーが果たす役割を解明し、研究を進めていく。さらに、初年度に実施予定であった明清期の文献についても改めて読み直し、成果執筆の作業を進めていく。
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