Creation and dissemination of techniques in export-oriented handicraft industry in rural Africa
Project/Area Number |
20K20065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
牛久 晴香 北海学園大学, 経済学部, 准教授 (10759377)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 技術の創出と普及 / 外来技術 / ローカル化 / アフリカ / ものづくり / 手工芸品 / ガーナ / アフリカ的発展 / 地場産業 / ボルガバスケット、かご / 新たな技術の創出 / 技術の普及 / ボルガバスケット / 国際市場 / 産業創出 / ガーナ農村 |
Outline of Research at the Start |
アフリカ農村において産業創出を通じた貧困削減は長年の開発目標である。なかでも伝統的な技術を現代風にアレンジした手工芸品の輸出ビジネスが注目されているが、移り変わる市場の需要に対応できる技術の創出と普及が課題となっている。解決の方途を探るためには、そのような製品づくりに成功している事例の分析が重要である。本研究では、ガーナのボルガ・バスケット産業を事例として、かご編み技術の創出と普及を進める人びとの実践を実証的に解明する。また、産地の社会経済的、文化的特徴と技術の創出・普及のあり方の関連を分析し、アフリカ農村に適合的な技術創出・普及モデルを構想する足掛かりとしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は3年ぶりに現地調査を実施できた。主な調査項目は①COVID-19がボルガバスケット産業や生産者(以下、「編み手」)の生活に与えた影響、②編み手に対する技術指導の観察、である。 ①について、COVID-19の発生と国際的な経済活動への影響、人々の生活様式の変化は、欧米への輸出に依存するバスケット産業に甚大な影響を与えた可能性があったため、急遽調査を実施した。その結果、予想に反して産業への負の影響は2,3ヶ月輸出が停止したことくらいで、むしろコロナ禍で輸出額・量ともに過去最高水準に達していたこと、編み手がバスケットから得る収入も微増したことが明らかになった。 ②について、地元の仲買商人による技術指導が新しい技術の普及に一定の役割を果たしていることが既にわかっていた。今回の調査では、計画外の調査にも時間を割く必要があったため、1名の商人に同行して指導の方法や伝え方を観察するに留まった。 アフリカの技術革新の特徴として、新しい技術は上意下達的には広まらないこと、個々の生産者が各々技術に工夫を施し、個別多発的に革新が起こること等が指摘されていたが、調査地では意外にも上意下達的かつマニュアル的に技術が伝えられていた。また、技術伝承に関しては観察と模倣が果たす役割が強調され、他者のものづくりに介入しない傾向が指摘されてきたが、少なくとも観察した事例では、言葉による教示だけでなく指導者が編み手の製作途中のバスケットを手に取ってどのようにすべきか実演するなど、かなりの介入が見られた。 ただし、上記のような指導方法は古くからバスケットを編んでいる村では嫌がられるため、参入して数年の新参の村でのみ実施しているとのことであった。このことから、編み手のバスケット生産への参入時期や参入過程、関係者間の社会関係の深さによって、商人や指導者が技術を伝え広める方法を変えていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の開始年度から深刻化したCOVID-19の影響で調査項目には大きな変更が生じているが、いずれもバスケット産業における技術の創出と普及のローカルな機構を明らかにし、アフリカ的産業発展の方途を模索することをめざした本研究を深化させることにつながっている。令和4年度に実施したCOVID-19がボルガバスケット産業や編み手の生活に与えた影響に関する調査も、輸出に依存するアフリカの地場産業の脆弱性と意外な底力を考えるうえで不可欠な調査であった。 以上をふまえると、当初の計画通りではないが研究自体はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の調査で、技術の伝達や普及の方法に関係者間の社会関係の深さや、バスケット生産への参入時期および参入プロセスによって、商人や技術指導者が技術を伝え広める方法を変えていることが示唆された。今後は技術指導の観察事例をできるだけ増やすとともに、伝え方や指導方法の違いを生み出しているローカルな社会経済的背景について調査を進める。この調査により、関係者間の社会関係や個々の編み手がバスケット生産という生業に見出している意味といった非経済的な要素が技術の円滑な伝承・普及に影響していること、ひいては経済活動や産業の発展に影響しうることを示すことができると期待される。 また、今回の調査でアフリカの他地域において指摘されている技術革新や技術伝承の方法が本事例には単純には当てはまらないことが示唆された。このような違いが生み出される背景についても調査を進めたい。 くわえて、COVID-19の影響によって研究計画に記述した新しい技術の創出に関する調査をいまだ実施できていないため、令和5年度に集中的に調査をおこなう予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)
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[Book] つくる・つかう2023
Author(s)
伊谷 樹一(共著)
Total Pages
320
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
9784814004416
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