Project/Area Number |
20K20074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Hokkaido University of Education (2023) Kyoto Tachibana University (2020-2022) |
Principal Investigator |
平井 健文 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (60846418)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 文化遺産 / 産業遺産 / 観光資源 / パフォーマンス / 観光者 / ガイド / 地域社会 / 真正性 / 観光 / 継承 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,文化遺産観光の場において,観光者はどのようなパフォーマンスを見せ,それが地域社会における文化遺産の保存活用の実践に対してどのように作用するのかを,事例研究を通して明らかにする.その上で,そうした相互作用が既存の権威的な言説を乗り越え,空間としての文化遺産をめぐって,新しい意味や実践を創発的に生み出すための課題と可能性について検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、文化遺産観光の場における観光者のパフォーマンスに注目し、それが地域社会における文化遺産保全の実践にどのように作用するか、そこで創発的に新しい言説や行為を生み出しうるかを検討している。2023年度の主な実績は以下の3点に整理される。 (1)遺産研究(Heritage Studies)の理論研究:前年度末に訳書を刊行し、その知見を基にした次の研究へと移行させた。具体的には、英米圏で蓄積された理論・事例研究の成果を、東アジアにどう応用できるかを検討するものである。訳書の刊行を担当した研究者間で継続的な勉強会を実施し、2024年度には観光学術学会のシンポジウムで、2025年度には共編著の刊行を通して、その成果を広く公開するための準備を進めた。 (2)現地調査:前年度に引き続き、調査対象地の北海道赤平市における参与観察、聞き取り調査を実施した。継続的な調査を通して、ガイドツアーという観光商品の「制度化」と、その中で限定される観光者とガイドとのコミュニケーションが、創発的な言説の形成にいかに影響するかという論点を抽出し、(1)の成果を援用しながら考察を進めた。 (3)歴史研究:本研究を共時的なものに留めず、その歴史的基盤を探るために、日本統治期のサハリン(樺太)を事例にして、観光者の実践が地域社会における文化遺産の認識にどのような変化をもたらすかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で現地調査の進捗が遅れ、本研究の中核にあたる、上記研究業績の概要欄(2)の成果を、論文や学会報告を通して公開することがまだ出来ていない。一方、(1)に挙げた訳書の刊行にエフォートを割いたという側面もあり、その後の(1)の進展や、新たに取り組みを始めた(3)の成果を報告できているという点を考えると、「やや遅れている」とするのが適切であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、(1)は2024年度の学会シンポジウムでの報告、その後の論文投稿が決定しているため、引き続き研究成果を広く公開していく。(2)については、最終的な調査を2024年夏に実施した後、その知見を取りまとめつつ、(1)の成果を援用して書籍や論文などで発表する予定である。(3)については、別の科研費プロジェクトへの展開も視野に入れて、植民地研究や観光歴史学の蓄積も取り入れつつ、基盤的な知見を固めていく。
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