Project/Area Number |
20K20153
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 友美 (分部友美) 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (80633825)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 協力行動 / 心的状態の理解 / 不確実性の認識 / 社会性 / 協力 / 不確実性 |
Outline of Research at the Start |
ヒトは,他者と関わり合うことをその本質とする,社会的動物である。では,ヒトの社会性を支える基盤とは如何なるものであろうか?この問いについては,これまで「他者の心的状態(考えや感情)を正確に理解する能力が不可欠」と広く想定されてきた。これに対して本研究では,他者の心的状態の理解は原理的に不確実であること,それゆえに,他者の心的状態に関する自身の理解の不確実性を認識することが社会性の基盤となることを新たに提唱する。本視点は,社会性という人間とその文化を形成する特性の基盤を明らかにするだけでなく,今後の教育研究等にも新規かつ重要な展開を生み出しうるものでもある。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは社会的動物であり、他者との協力関係の中で生きている。本研究の目的は、社会性にとって重要な協調行動の維持に関わる認知メカニズムを解明することである。従来、社会性の認知的基盤は、他者の心理状態を正しく推測する能力であると考えられていた。しかし、他者の心的状態の理解は原理的に不確実であるため、他者の心的状態の理解における不確実性の認識が社交性の基盤であると考えられる。そこで本研究では、「囚人のジレンマ」に他者の心的状態の不確実性と連続性を組み込んだ新たな社会的相互作用課題を構築し、参加者の協調行動を検討した。66名の大学生を対象に、協力を維持することが困難なゲーム実験を10回行った。その結果、協力・非協力の推移パターン、相手への好意度、協力・非協力に対する肯定的態度を2つのクラスに分類して分析した。その結果、協力行動の維持には、相手が協力を選択するという協力の肯定的予測と、その予測が必ずしも当たるとは限らないという不確実性の認識の2つの要因が寄与していることが示唆された。また、パートナーが非協力的な場合でも、パートナーの協力行動予測に対する不確実性の認知が、グループ作業における葛藤状況の発生を抑制する可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
23年度に「他者の心的状態の推測における不確実性の認識」,および集団内葛藤と作業成績の関係を縦断的に検討する予定であったが,十分にデータ収集ができていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度は他者の心的状態の推測における不確実性の認識」,および集団内葛藤と作業成績の関係の縦断データを収集し,分析を行うことにより,現実の教育場面における社会性に対して不確実性の認識が持つ因果的役割を明らかにするとともに,その知見をもとに社会性を獲得するための教育プログラムへの開発へつなげる。
|