超音波による肝臓腫瘍のリアルタイム自動診断システム構築に関する研究
Project/Area Number |
20K20214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三原 裕一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80789561)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / 自動検出 / ディープラーニング / AI / Faster RCNN / 肝臓 / 人工知能 / 超音波 / 自動診断 |
Outline of Research at the Start |
超音波での肝腫瘍の診断においては、肝腫瘍を洩れなく認識し、認識した腫瘤の識別を行うことが重要であるが、同診断は医師の練度により診断精度が異なる。本研究では、練度に依存しないリアルタイムな3次元超音波診断システムを構築することを目指す。 東京大学医学部附属病院で肝腫瘍に対する肝切除術中に取得された術中超音波検査映像をディープラーニングで学習させ、自動で診断するシステムを作成する。超音波画像を動画として得ることで3次元的に肝腫瘍を認識し、構造物を正確に識別することが可能となりうる。 リアルタイムに腫瘍認識・腫瘍の質的診断・腫瘍の位置情報を得ることが可能なモデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、ディープラーニングを用いて肝臓超音波画像から腫瘍を抽出するシステムの構築を行った。今年度の補助金は主として、この研究を遂行するに中核となるディープラーニングステーション本体・ラベル付与・データ収集を行うためのPCなどの購入に充てられた。現在までに画像の物体識別系であるFaster R-CNNをベースとして動画として撮影した2枚の連続する静止画を取り込むことで従来のFaster R-CNNの腫瘍検出能力をシステムの構築に成功し、肝細胞癌の手術中に撮影した術中超音波画像から肝細胞癌を自動的に識別する精度が従来のFaster R-CNNの手法より優れていることを示すことができた。本成果は医学系雑誌Hepatobiliary surgery and Nutrition”に投稿し、採択された。 本研究については「第一段階:存在診断、第二段階:質的診断、第三段階:位置診断」の三段階での達成目標を設定しており、第1段階の存在診断については一定の成果をあげることができた。 現在は、さらなる検出精度の向上のためMasked R-CNNも用いて検証を行っている。また、第二段階の質的診断、第三段階の位置診断についても同時に研究を進めており、肝臓内・肝臓周囲の構造物(グリソン・肝静脈・腹部大動脈・下大静脈・胆嚢および腫瘍)を自動的に識別するモデルの構築とデータ拡張手法の検討を行っている。特にデータ拡張手法の検討結果については2021年度の日本消化器外科学会総会シンポジウムで報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で報告したように術中超音波画像から効率的に肝臓腫瘍を自動検出するシステムを構築することができた、研究計画調書で提示しているように本研究については「第一段階:存在診断、第二段階:質的診断、第三段階:位置診断」の三段階での達成目標を設定している。 第1段階の「存在診断」については、広く世界で用いられている物体検出モデルよりも精度の高い検出システムを構築することができた。 第2段階の「質的診断」については、肝細胞癌手術の際に超音波造影剤(ソナゾイド)を静脈内投与し、投与後1分30秒以内の超音波造影剤取り込みパターンから腫瘍の質的診断を行うことを目指している。現在は、当科で行われている肝細胞癌手術中の術中超音波造影剤検査動画の収集を行いつつ、造影剤投与後の経時的な画像変化を解釈するシステムを検討中である。 第3段階の「位置診断」については、認識した腫瘍がどの肝臓区域に存在しているのかを診断するシステムの開発がメインである。腫瘍の位置診断には解剖学的構造の認識が欠かせないが、位置診断には肝臓内構造物の認識が欠かせない。特に、肝静脈・グリソン・下大静脈との位置関係が重要となるが、本年度に論文投稿したモデルでは腫瘍と脈管を識別することはできていたが肝静脈・グリソン・下大静脈の識別を行うことはできていない。現在は肝静脈・グリソン・下大静脈・大動脈・胆嚢にもラベル付与を行っている。 概ね順調な進捗と考えているが、画像取得・ラベル付与に膨大な手間を要しており多様な学習データの作成・取り込みに大きな課題が今後も残る。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗自体は順調である。次年度には第1段階である腫瘍の「存在診断」については、臨床応用に足るレベルの腫瘍の識別精度まで向上させることについては課題が残り、現在はmasked RCNNをベースにした腫瘍検出システムの構築にも取り組んでいる。高精度な腫瘍検出にはバリエーションに富んだ学習データの取り込みが必要であり、当科で行われている肝細胞癌の手術の際に撮影された術中超音波画像のラベル付与・学習を継続して行っている。また、物体検出モデルのデータ拡張に用いられている従来の手法のうち、どの拡張方法が術中超音波画像の腫瘍および肝臓内構造物の検出精度向上に寄与するのかについての検証も開始していく。 第2段階の「質的診断」については、造影剤注入後の腫瘍への造影剤取り込みの経時的な変化をどのように認識させるのか、ラベル付与はどのように行うべきかについて検証している。東京大学新領域科学研究科と合同で質的診断についての自動診断システムの構築試みており次年度の研究の核と位置づけている。第三段階の「位置診断」については超音波診断での位置診断を行う上で欠かすことのできない、肝臓内構造物の識別に取り組んでいく。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Automated liver tumor detection in abdominal ultrasonography with a modified Faster R-CNN architecture2021
Author(s)
Kenji Karako, Yuichiro Mihara, Junichi Arita, Akihiko Ichida, Bae Sung, Yoshikuni Kawaguchi, Takeaki Ishizawa, Nobuhisa Akamatsu, Junichi Kaneko, Hasegawa Kiyoshi, Yu Chen
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Journal Title
Hepatobiliary surgery and Nutrition
Volume: -
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Peer Reviewed